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【社説】統一教会信者の組織的入党疑惑、韓国保守党「国民の力」はまず断ち切れ

登録:2025-09-19 23:56 修正:2025-09-20 08:59
チャン・ドンヒョク代表をはじめとする国民の力の所属議員が19日、国会で開催された議員総会で、司法掌握をやめるよう求めるスローガンを叫んでいる/聯合ニュース

 キム・ゴンヒ特検が18日に押収した保守野党「国民の力」の党員名簿を旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の信者名簿と比較したところ、10万人が重なっていたという。旧統一教会は、2023年3月の国民の力の党大会を前に、クォン・ソンドン議員を党代表にするために信者を大量に国民の力に入党させた疑いが持たれている。国民の力はこれを否定してきたが、党員名簿が確認されただけに、事実である可能性が高まった。

 特検は、国民の力の党員名簿を管理する会社を家宅捜索してこのことを確認。党員の加入時期を確認している。旧統一教会の幹部は、2022年12月に信者に国民の力の入党申込書を渡すなど、組織的に党への加入を勧めていた疑いが持たれている。クォン・ソンドン議員は当時、党代表選への不出馬を宣言していたが、2022年の大統領選挙を前に旧統一教会の韓鶴子(ハン・ハクチャ)総裁から1億ウォンの違法政治資金を受け取っていたことが明らかになっている。クォン議員はまた、大統領選挙後に旧統一教会本堂で韓総裁に会い、「尹錫悦当選」の祝辞を受け、旧統一教会の複数の事業を政府レベルで積極的に支援すると述べている。これは、政治権力と宗教団体が結託して国の資源を不当に使用する「国政壟断」行為だ。

 韓国憲法(第20条)は、宗教の自由とともに「政教分離」原則を規定している。1948年の制憲憲法当時からあった条項だ。長きにわたる「政教一致」で弊害のあった欧州諸国は、韓国に先んじて政教分離原則を打ち立てた。政教分離は民主主義の発展と軌を一にする。韓国は相対的に政教分離が厳格に守られていなかった。保守プロテスタントは軍部独裁以降、反共を掲げて政権と密接な関係を結んできた。1987年の民主化以降も、様々な政治的集会を通じて政治に積極的に介入してきた。大統領が出席する国家朝食祈とう会が毎年開催されてもいる。果ては、チョン・グァンフン牧師ら極右プロテスタントの人物らと結託して不正選挙陰謀論を唱える政治家もいる。これを放置すれば民主主義が危うい。

 旧統一教会との癒着疑惑を否定してきた国民の力は19日、「(旧統一教会信者である党員)12万人は、統計学的に正常」だと述べた。旧統一教会の信者が大量に入党していたことは認めているのだ。にもかかわらず、クォン議員の拘束令状に記載された容疑との「関連性が微々たるものだということが重要だ」と述べている。関連性の有無は、特検の捜査によって明らかになるだろう。政治と宗教の結託は憲法に違反する重大な犯罪行為だ。特検による捜査の結果、事実であることが明らかになれば、国民の力はきちんと責任を取らなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1219725.html韓国語原文入力:2025-09-19 18:18
訳D.K

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