今月21日午後8時、ソウル光化門(クァンファムン)広場で開かれる「BTS(防弾少年団) THE COMEBACK LIVE ARIRANG」が5日後に迫り、盛り上がりをみせている。2022年10月に釜山(プサン)アジアード主競技場で開かれた「YET TO COME IN BUSAN」以来、3年5カ月ぶりとなるBTSメンバー全員によるステージという点で、世界中の関心が集まっている。前日の20日には、5枚目のフルアルバム「ARIRANG」が発売される。
当初1万5千席で計画されていた公演は、観覧エリアを広げることで2万2千席に拡大された。観客席は光化門広場北側のメインステージ前のスタンディングAエリアと、指定席のBエリアに分かれ、世宗大路の交差点南側から市庁駅付近まで追加された観覧席スタンディングCエリアが続く。光化門前から市庁駅付近までの約1キロメートルが公演会場へと変わる。
光化門前から世宗大王像、李舜臣将軍像へと続く光化門広場の中心軸が、そのまま観客の動線として使われる。BTSメンバーたちが景福宮の中から出発し、復元された光化門の月台(ウォルデ)と御道(オド:王の道)に沿って移動し、ステージに登場する「王の帰還」が演出される可能性も取り沙汰されている。国家遺産庁も、景福宮と光化門一帯の文化遺産活用に関して、公演の撮影と演出を条件付きで許可した。公演当日、景福宮と国立古宮博物館は臨時休館となる。
BTSが所属している芸能プロダクション「HYBE」は、安全とセキュリティを考慮し、実際の公演会場ではなく別の場所で事前リハーサルを行うことにした。野外公演の特性上、セットリスト(公演曲目)や新曲のステージのネタバレを防ぐための措置とみられる。新アルバムの収録曲だけでなく、「Dynamite」「Butter」など既存の代表ヒット曲も披露される可能性が高い。
海外メディアも注目している。英紙ガーディアンは先月24日、「ソウル中心部が巨大なK-POPイベントの舞台となる」と報じた。今回の公演はネットフリックスを通じて世界190カ国余りに同時生中継される。ネットフリックスがアーティストの公演を生中継するのは今回が初めて。世界中の視聴者が5000万人を超える可能性があると予想する業界関係者もいる。
多くの人出が見込まれるだけに、安全対策も徹底して準備されている。警察は、会場の外まで含め、観客や観光客など最大26万人前後の人出が見込まれるとして、6500人の警官を配置する。会場一帯の31棟の建物への立ち入り規制も実施される。消防当局は消防車99台と人員765人を投入し、ソウル市も関係機関の人員3400人規模の「市民安全対策本部」を稼働させる。当日午後、地下鉄1・2号線の市庁駅、3号線の景福宮駅、5号線の光化門駅は電車が停車せずに通過し、駅の出入り口も規制される。バスも迂回運行する。
ただし、都心の真ん中をステージとして使うだけに、市民への不便が懸念されている。光化門に職場があるSさん(26)は、「光化門には土曜日に勤務する人も多い。人通りが多いソウルの中心で公演をする理由が分からない」と語った。公演会場近くでカフェを経営するJさん(34)は、「商売がうまくいくのか、交通規制などで支障が出るのではないか、見当がつかない」と述べた。
大衆音楽評論家のイム・ヒユン氏は、「K-カルチャーがオンラインを通じて世界的なブームを巻き起こしている状況で、ネットフリックスが単独アーティストのコンサートをライブ配信する初の事例がBTSである点は意味深い」としたうえで、「ただし、社会的コストを伴う大型野外イベントが十分な意見聴取なしに推進された点は、考えるべき問題だ」と述べた。