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[W杯]韓国代表「マジック」をもう一度…守備の堅固なブラジルも「隙」がある

登録:2022-12-05 11:16 修正:2022-12-06 08:19
ブラジルと対戦する2022カタールW杯16強戦を翌日に控えた4日午前(現地時間)、カタール・ドーハのアル・エグラ練習場で、韓国男子サッカー代表チームの選手たちが練習している=ドーハ/キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 いよいよブラジルだ。

 パウロ・ベント監督率いる韓国男子サッカー代表チームは6日未明(韓国時間)、カタール・ドーハのスタジアム974で、2022カタールW杯決勝トーナメント初戦でブラジルと対戦する。6カ月ぶりの再会だ。韓国は6月2日、ソウルでブラジルと親善試合を行い、1-5で完敗した。韓国はシュート(7-25)とボール支配率(40-60)で大きく後れを取り、技術と組織力を兼ね備えたブラジル選手たちの圧迫とそこから脱けだすのに苦戦した。そしてこの試合はカタールへ向かう韓国代表の「ターニングポイント」となった。

 代表MFのファン・インボムはポルトガル戦終了後、ミックスゾーンで「ブラジル戦は私のサッカー人生で『ターニングポイント』だった。その試合で多くの挫折感を感じ、多くのことを学んだ」と話した。チームも同じだった。ブラジル戦の教訓以後、ベント監督はその後に続いたチリとの親善試合でソン・フンミン(トッテナム)の位置を左ウィングのFWから最前方のFWやセカンドストライカーなどに移して実験に乗り出し、これまで固守してきた4-1-4-1フォーメーションも、4-2-3-1に変化を与えた。

 守備型MFのチョン・ウヨン(アル・サッド)1人に集中していた守備の負担を分散するかたちでビルドアップ体系を改編したのだ。本大会で韓国代表チームは4-2-3-1で2試合(ウルグアイ戦、ガーナ戦)、4-3-3で1試合(ポルトガル戦)を行った。ブラジルが残した宿題を解くなかで、韓国代表はウルグアイやポルトガルを相手にもボール支配率、シュートで押されないほど堅固なチームになった。昨夏、交代で入ってきた選手たちにもゴールを奪われ、振り回された無気力な姿が再現される確率は少ない。

ブラジルと対戦する2022カタールW杯16強戦を翌日に控えた4日午前(現地時間)、カタール・ドーハのアル・エグラ練習場でチョ・ギュソン、ファン・ヒチャン、チョ・ユミンが練習している=ドーハ/キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 今回の試合の勝負どころは逆になる見込みが大きい。韓国の槍とブラジルの盾だ。ブラジルは今回のW杯で守備的に最も堅固なチームだ。1次リーグの3試合を行った中で、枠内シュートはわずか3つ。それさえも全員主力を10人も交代させ、一撃で崩れたカメルーン戦で出たものだ。むしろ今ブラジルはゴール決定力がやや残念だ。3試合で52本のシュート(有効シュート21本)を放ったにもかかわらず、3ゴール(シュート比ゴール転換率5.8%)しか決められなかった。

 ブラジルは2014年、自国で開かれたW杯ベスト4で守備ラインが崩壊し、ドイツに1-7で大敗する「ミネイロンの悲劇」を経験した。その後、2016年に赴任したチッチ監督は、漂流していたブラジル代表チームに組織力を吹き込み、何より世界最高レベルの後方を構築した。南米地域予選では、17試合5失点(40得点)という驚異的な記録を立てた。チアゴ・シウバ(チェルシー)、エデル・ミリトン(レアル・マドリード)、マルキーニョス(パリ・サンジェルマン)ら中央DFと守備的MFカゼミーロ(マンチェスター・ユナイテッド)が守るラインには隙間がない。

 変数があるとすれば負傷だ。エースのネイマール(パリ・サンジェルマン)は、1次リーグ第1戦のセルビア戦で足首を大きく負傷した。「16強戦はプレーできるだろう」という見通しとともにチーム練習にも復帰したが、コンディションがどれだけ回復するかは未知数だ。1.5軍資源のFWガブリエウ・ジェズス(アーセナル)とサイドDFのアレックス・テレス(マンチェスター・ユナイテッド)は負傷でこれ以上のW杯出場が難しくなり、主力フルバックのジョー・ダニーロとアレックス・サンドロ(以上ユベントス)の体調にも疑問符がついている。

ブラジルのネイマール=ルサイル/ロイター・聯合ニュース

 韓国も負傷を抱えてプレーする選手が多いが、ポルトガル戦を基点に復活しはじめたソン・フンミンとファン・ヒチャン(ウルバーハンプトン)を中心に鋭く研ぎすまされた攻撃陣は、ブラジルの世界最強の守りに勝負をかけてみる価値がある。前回の評価戦では、チョ・ギュソン(全北)もキム・ミンジェ(ナポリ)もイ・ジェソン(マインツ)もイ・ガンイン(マヨルカ)もいなかった。チッチ監督も「油断はできない」という覚悟だ。彼はカメルーン戦の敗北後、「韓国はポルトガル、チュニジアはフランス、カメルーンは我々を破った。次の試合では気をつける」と話した。

 16強戦ではベント監督が再びベンチに戻る。延長戦とPK戦も適用される。韓国のブラジル戦績は1勝6敗。一発勝負のトーナメントでの予測は無意味だ。資格のある奇跡を成し遂げた韓国代表にもはや恐れはない。

ドーハ/パク・カンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/sports/soccer/worldcup/1070187.html韓国語原文入力:2022-12-05 07:34
訳C.M

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