SBSがムン・チャングク国務総理候補者の教会での講演映像を入手していながら報道しなかったことが明らかになった。 これに対して抗議する記者たちが「経緯を説明せよ」として相次ぎ声明を出すなど、団体行動に乗り出す兆しを見せている。
全国言論労働組合SBS本部と公正放送報道委員会(公放委)の説明を総合すれば、SBSはKBSの‘ムン候補者教会講演映像’単独報道があった一日前の10日、論議になっている教会講演動画を確保した。 該当記者はデスクにこれを報告し、ソン・フェヨン報道局長もまもなく報告を受けた。 翌日11日、該当記者は追加取材を通じて記事草案まで作成したが結局、夜のメイン ニュース番組である<8ニュース>で報道されなかった。 SBS報道局幹部は「補完取材が必要だ」という立場だったと伝えられた。 その結果、一時間後にKBSは問題動画を単独報道した。
10日と11日の2日間にかけて特ダネを逃すや記者たちは事実上「故意的脱落」と見て反発している。 SBSの社内掲示板には記者たちの声明が相次ぎ上がっている。 15日現在、9期から18期の記者たちが全て声明を出した。 18期の記者たちは‘消えたニュースに対する説明を要求する’というタイトルの声明を通じて「競争局がトップニュースとして長く放送した事案が、私たちのニュースからは消えた」として「皆があれこれ取りざたしているが、本来話さなければならない位置にある人は誰も何も言わない」として、報道局に説明を要求した。 17期の記者たちも「取材と記事作成まで完了した時点で、不明な理由で記事が脱落した。 ムン・チャングク発言の記事が脱落したことは、報道機関としてSBSが、記者として我々が権力監視という本領を尽くせるか否かに関わる問題」と指摘した。
労組も13日に声明を通じて「総理候補者の資格を検証する重要な記事が、SBSで理由も不明なまま2日間埋められた」として「誰がどんな経路で健全な取材と正当な議論過程を阻んだのか、会社側は明確にしなければならない」と要求した。 労組は会社側にこの問題を議論する編成委員会の開催を要請し、15日に編成委員会が開かれる予定だ。 チェ・スヒョンSBS本部委員長は「記者たちが最近の事態に対して相当な問題意識を持っているようだ。 編成委員会が労使同数で編成されているだけに強く説明を要求する」と話した。
去る12日夜、緊急運営委会議を通じて「報道局責任者の迅速な説明」を決議したSBS記者協会も16日、緊急総会を開いてこの問題を扱う予定だ。 記者たちのまた別の団体行動につながるかが注目される状況だ。 SBSのある記者は「総会結果を見守らなければならないが、世論があまりにも良くなく、また別の団体行動を決議する可能性もある」と話した。
イ・ジョングク記者 jglee@hani.co.kr