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ユヌス グラミン銀行総裁辞任圧力 なぜ?

バングラ政府「定年過ぎた」
横領・脱税疑惑も調査
首相との対立が背景

チョ・キウォン記者
 
←ムハマド・ユヌス

貧困層を対象とする小額信用貸出である「マイクロクレジット」(小額貸出)運動で、2006年ノーベル平和賞まで受賞したムハマド・ユヌス(71・写真)グラミン銀行総裁が、バングラデシュ政府から辞任圧力を受けている。

アブル・マル・アブデュル・ムヒト財務相は15日、 BBCとのインタビューで「民間銀行の頭取の定年は65才だ。ユヌスはすでに定年を過ぎた」として「1年前から後任者とグラミン銀行の役割再確立に対して協議を始めた」と述べた。しかし、銀行頭取定年規定は、バングラデシュで守られる例はほとんどないと、BBCは伝えた。

バングラデシュ政府がユヌス引退を主張する背景には、 バングラデシュのシェイク・ハシナ首相とユヌスの間の対立があるとの観測が多い。ユヌスは2007年に「市民の力」という新政党を立ち上げると発表し、後にあきらめたが、この過程でハシナ首相など既存政界との対立が生じた。ユヌスは2007年、AFPとのインタビューで「バングラデシュの政治家は、金しか分からない。理念などはない」と話し、最近、名誉毀損容疑で裁判を受けたりもした。ハシナ首相が「(ユヌスが)貧しい者たちから血を吸っている」と非難したこともあった。

バングラデシュ政府は、先月から、グラミン銀行の横領および脱税疑惑の調査を開始した。昨年末、あるノルウェーのテレビ局が、グラミン銀行が、ノルウェーで得た寄付金1億ドルをマイクロクレジットとは無関係の系列会社の口座へ入金したと報道したことが契機になった。ノルウェー政府は調査の結果、不正行為はなかったと明らかにしたが、バングラデシュ政府は、自主調査を継続している。

チョ・キウォン記者 garden@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/463715.html 訳M.S