原文入力:2009-03-06午後06:37:09
年間国防費 ‘北韓総所得’に匹敵
南-北 兵力・武器など単純数字比較 反復
総合戦闘力 シミュレーション 資料さえ “ない”
クォン・ヒョクチョル記者
←北韓のミグ19空軍機(上),南北軍事武器核心戦力比較(表),韓国空軍のF-16戦闘機(下).
陸軍戦車 北韓 3900両,韓国2300両
海軍戦闘艦艇 北韓 420隻, 韓国120隻
空軍戦闘機 北韓 840機, 韓国490機
最近公開された<国防白書2008>に出てくる‘南北韓 軍事力比較’の一部内容だ。北韓が韓国より戦車は1600両(1.7倍),海軍水上戦闘艦は300隻(3.5倍),空軍戦闘機は350機(1.7倍)がより多い。誰が見ても北韓の圧倒的な優勢だ。ここに北韓は地上軍戦力の70%を平壌~元山以南地域に配置し有事の際奇襲を狙っている。
国防部は1988年に国防白書を出して以来、一貫して韓国,北韓の兵力,戦車,野砲,戦闘機,戦闘艦の数を比較する‘単純数量比較方式’(bean counting)で南北の軍事力を評価している。国防部関係者は「シミュレーションを通じた南北総合戦闘力比較に関する資料はない」として「軍では公式に単純数量比較方法を用い、他の比較方法は客観性と信頼性が劣るので使わない」と明らかにした。
だが質は‘尋きも問い詰めも’せずに量だけを前面に出す単純数量比較は限界が明らかだ。韓国戦争初期にT-34戦車を先頭とする北韓に対応無策になった記憶のために私たちは‘1600両も多くの北韓戦車’を敏感に受け止める。
ところが昨年11月、国会国防委は予算審査報告書で「南北戦車戦力は数的劣勢にもかかわらず質的に私たちが多少優勢だ」と明らかにした。北韓が保有する3900両の戦車内訳を見れば、T-34 62両,T-55/54 2767両が目を引く。T-34は第2次世界大戦当時、旧ソ連軍が使った戦車だ。T-55/54は旧ソ連がT-34の後続モデルとして1957年に開発し北韓には1964年に初めて導入された。この戦車は射撃の正確度が低く雪雨が降ったり夜には戦闘能力が落ちる。エンジン室と乗務員室が分離しておらず媒煙とガスとで長時間の作戦を行うことも難しい。北韓戦車3900両の中で70%が2次大戦と50年代に開発された古い装備だ。
北韓の新型戦車は1977年に導入されたT-62 310両と1992年に導入された天馬号93両など400余両程度だ。しかしT-62と天馬号戦車は火力と防護力の面で韓国のK-1,K1A1戦車などに及ばないという評価だ。北韓の新型戦車を凌駕するK-1とK1A1を韓国は1200両余り保有している。
<国防白書>は北韓が奇襲南侵をしようと地上軍戦力の70%を平壌~元山以南に配置しているという。それでは韓国は? 韓国地上軍戦力の80%ほどが大田以北に配置されている。陸軍兵力52万人の内、忠清・嶺南・湖南など後方を管轄する第2作戦司令部の正規兵力は3万人余りだ。残りの陸軍兵力と戦車,火砲などの装備はソウル,京畿と江原地域に集中配置されている。韓国は北韓の奇襲に備えて地上軍戦力を大田以北に前進配置していると説明している。地上軍戦力の大部分を相手方の目の前に集中配置していることは南北同様だ。
北韓が3.5倍も多いという海軍水上戦闘艦の数字にもバブルがある。 戦闘艦艇の本当の能力が分かるのは排水量を合計した総トン数だ。総排水トン数で見れば、韓国が北韓より1.7倍優勢だ。船が大きければミサイルなど強力な先端武器を積むことができ、より高く位置したレーダーで遠くまで監視することができる。敵を先に発見し、より強力な火力で相手方を制圧できるということだ。
韓国は最初のイージス艦である世宗大王艦(7600t)と4500t級駆逐艦6席など1000t級以上の艦艇を40隻余り保有している反面、北韓の代表的な戦艦は西湖級(1640t)等3隻に過ぎない。北韓は沿岸防御をする100t以下の小型艦中心なので、高波に弱く遠海に出て行けない。夜間作戦能力にも限界がある。
韓国より350機余りも多いという北韓空軍戦闘機も実状は違う。北韓はミグ-29 30機,ミグ-23 46機,ミグ-21 170機,ミグ-19 159機,中国型ミグ-21であるJ-7 120機,ミグ-15 35機などを保有している。北韓戦闘機の53%はミグ-19と21だ。ミグ-19,21は50年代に開発された戦闘機で現代航空戦を遂行するには古い。
北韓戦闘機の中で比較的新型のミグ-29とミグ-23を合わせれば76機ほどだ。ミグ-29,ミグ-23と同じ等級のF-16は韓国が136機持っている。同級先端戦闘機で比較すれば韓国が67機ほど多い。また韓国が持っているF-15K 39機は北韓のどの戦闘機と戦っても勝てる高性能戦闘機と言われる。
合同参謀本部は昨年10月の国政監査で「北韓空軍の航空機は大部分が夜間作戦能力と精密攻撃能力が制限される反面、韓国は高性能航空機面で優勢で全天候精密攻撃能力が優っている」と説明した。
韓国軍事力の優位は国防費でも確認される。韓国は少なくとも80年代初めから北韓より多い軍事費を使い続けた。2006年基準として韓国の国防費は246億ドルだ。同じ年の北韓の国民総所得256億ドルに匹敵する規模だ。この年、北韓の実質軍事費は国民総所得の30%である85億ドルに止まったと国防部は推定している。
クォン・ヒョクチョル記者nura@hani.co.kr
原文: https://www.hani.co.kr/arti/specialsection/newspickup_section/342442.html 訳J.S