原文入力:2011/10/02 19:12(1591字)
キム・ジフン記者
会社関係者「会社の金で買った商品券を渡して指示」
「私の挑戦…」教保文庫販売第2位…鄭議員は否認
←鄭夢準ハンナラ党前代表が1日午後、忠清南道天安市新富洞の新世界デパート内の教保文庫で、最近出版した自叙伝「私の挑戦 私の情熱」のサイン会をしている。
現代重工業グループと牙山社会福祉財団が役職員を動員して鄭夢準(チョン・モンジュン) ハンナラ党議員の自叙伝を買い占めていることが2日、明らかになった。鄭議員は現在の現代重工業の大株主で、峨山社会福祉財団の理事長だ。
ハンギョレがグループ系列会社と財団関係者などを取材した結果、9月初めに出版された鄭議員の自叙伝「私の挑戦 私の情熱」(キムヨン社)の販売実績を上げるために、グループと財団側が、役職員に文化商品券を大量に渡して、本を購入させていることが確認された。
現代重工業グループのある関係者は、「会社で数千名の職員に会社の金で買った文化商品券を渡して、鄭議員の本を教保文庫に行って買わせるよう指示した。(買い占めの疑いをかけられないよう)本を分けて買うようにやり方を伝えて、買った本を再び領収書と共に会社に返却させるようにした」と明らかにした。この関係者は「先月17日、永登浦の教保文庫で開かれた鄭議員の著者サイン会にも、現代重工業系列社の職員が動員された」と付け加えた。
書店で本を買いだめする現場も捉えられた。2日、教保文庫光化門店では、ある男性が、一度に鄭議員の本を10冊買っていた。この男性は妻に渡して5冊を文化商品券で購入させた後、また反対側のレジで5冊を文化商品券で買った。彼は、1人で本を一度に何冊買っても、ベストセラー集計には1冊分のみ反映されるという出版・書店界協約を避けるために、領収書を1冊当たり1枚ずつ別にもらっていた。ハンギョレ記者が後をつけていき、身分を尋ねると、彼はソウル峨山病院(峨山財団傘下)の職員だと明かした。彼は、「(会社で本を買ってきなさいと指示されたのかとの質問に対して)肯定も否定もしない」としつつも「別の方々にも尋ねてみたか? もう買いに来る人は、あまりいないでしょう…」と話した。教保文庫光化門店のあるレジでは、「鄭議員の本だけ唯一、文化商品券で買っていくお客さんが多い。一度に15冊ずつ買っていくケースもかなりある」と話した。
実際に買い占めが効果を発揮したのか、鄭議員の本は9月初めの週に出版されるやいなや、教保文庫で販売量3位を記録し、第4週は2位に上がった。反面、買い占めをしなかったオンライン書店では、鄭議員の本の販売順位は低調だった。インターネット書店の最大手のイエス24では、この本は9月第2週171位、第3週50位、第4週64位と下位圏に留まった。
出版文化産業振興法は、本の著者が販売量を上げる目的で、自身と関連した人に対して本を不当に買うようにした場合、300万ウォン以下の過怠金を課するように規定している。出版流通審議委員会のユン・チョルホ運営委員長は、「委員会から文化部に申告をすれば、著者と現代重工業グループ関係者を召還調査できるが、最後まで否認すれば処罰しにくいという制度的限界がある」としつつも、「ただし、委員会の申告だけでもベストセラー順位から除外される」と話した。
これに対して鄭夢準議員は「皆さんに本に関心を持ってほしいとは話しているが、私と関連する機関の責任者は、社会的規範に合わせて仕事をすると思う」と話した。現代重工業側は「確認中だが、そんなことがないだろうと考えている」と明らかにした。
キム・ジフン記者 watchdog@hani.co.kr
原文:https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/498883.html 訳 M.S