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1分遅刻でも給与削減20分 食事…コーヒーより苦い‘バイトの涙’

原文入力:2011/09/05 20:42(1923字)
イ・ギョンミ記者


勤務中 継続 CCTVの監視受け、腹がへりお客さんの残したパンを食べたことも
ケガしても治療は考えもできない…‘不当待遇’知らせたら解雇


 "あまりにも腹がへってお客さんの残したパンのかけらを食べたこともあります。"

 当時の記憶を思い出しながら本人もあきれたのか、パク・ヒョンジン(仮名・20)氏は虚しく笑った。去る5月、ソウル 江南地域にある国内大企業が経営するコーヒー専門店に初めて出勤した日 「ひとまず服を着替えてテーブル拭きから始めてください」という職員の言葉に清掃から始めた。マニュアルどころか勤務と関連する簡単な指針さえ聞くことはできなかった。「ただミスをして怒られるのが教育だったのでしょう。」お昼の時間をはるかに過ぎても店長も職員も誰一人として食事をしろと用意する人もいなかった。皆が忙しく仕事をしていて‘ご飯を食べる’という話もできなかった。パク氏はあまりにお腹がすいて結局、お客さんが残したパンのかけらで飢餓を癒した。

大学を辞め昨年から色々なコーヒー専門店を回ってアルバイトをしているパク氏は法定最低賃金の時給4320ウォンを受け取り一日8時間ずつ仕事をしている。一ヶ月に75万ウォン程度を稼ぎ家賃と生活費として使う。同じような時給を受け取るコンビニエンスストアやファーストフード店に比べすっきりしていて余裕があるように見え、何よりもコーヒーを淹れる仕事を学ぶことができそうで仕事を始めた。


だが、パク氏に‘コーヒー一杯の余裕’のようなものは夢想に過ぎなかった。食事時間さえまともに保証されなかった。20分程度、事務室に入りあたふたとご飯を食べ、また売り場に出てきて働いた。バイト生らの間で‘コーヒー界の代表チェン’と呼ばれるほどメニューが多いこのチェーンではコーヒーを淹れる以外のすべての仕事をバイト生が引き受けている。パク氏もスムージー、かき氷、ワッフルなどを作る仕事から売り場清掃まで、ほとんどすべての仕事をした。パク氏の前腕にはパンを焼いてオーブンで火傷した跡が5㎝ほど残っていた。「そのまま軟膏を塗って終わりでしょう。手首が痛くてもお客さんの見た目が悪いのでパスも貼れないのに、治療費をくれという言葉は思いもよりません。ケガをすれば黙って本人が処理するんです。」


それでも昨年7月、鍾路(チョンノ)にあるH大型コーヒー専門店で仕事をした時を考えると今の方がマシだという。夜11時から翌朝7時まで深夜勤務をする間、悪口三昧で無視を日常的に行う飲酒者らを相手にすることはとても苦しかった。それでも我慢して働いた。しかし一日中立っていて2階に上がったり下りたりすれば足がとても痛かった。防犯テレビ(CCTV)が自身を見張っているのであえて座る勇気も出なかった。上手くCCTVの死角地帯を探して牛乳ボックスを立ててしばし腰掛け息を継いだりもした。パク氏とともに働いていた職員は下肢静脈瘤にかかり辞めた。パク氏も健康を損ない3ケ月で辞めた。2ヶ月後には結核の診断を受けた。


Hコーヒー専門店を止めた後、昨年12月には西大門区(ソデムング)にあるKコーヒー専門店で一ヶ月間働いた。こちらは少しはマシだと思ったが、一ヶ月後に‘不敬罪’にひっかかり解雇された。一日はからだが痛くて休暇を出し、翌日出勤をしたところ、社長と社長夫人が自分が来るか来ないかを巡り10万ウォンの賭けをしたという。社長が夫人に電話をかけ「ヒョンジンがきたので10万ウォン出せ」と言い、社長夫人はパク氏に「CCTVに顔を写してみろ」と言った。やれと言われて顔をぐっと差し出したところ、社長と社長夫人はくすくす笑った。パク氏は自分を遊戯の種にしてもてあそんでいると思い機嫌を損ね、そのような愚痴をインターネットに載せた。しばらくして社長がその文を発見し、「私たちのカフェのイメージを失墜させた」として、翌日から出てこないでくれと言った。


パク氏はその後、江南地域に移って仕事をしているが、近い将来今の仕事も辞めようと思っている。「お客さんには最高のサービスと親切、あらゆる余裕のあるイメージで広報しているが、それに憧れた私がどれほど愚かだったのか、もう分かりました。コーヒー専門店の仕事はもうしないでしょう。」 イ・ギョンミ記者 kmlee@hani.co.kr


原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/495019.html 訳J.S