原文入力:2011/08/16 22:36(1851字) ナム・ジョンヨン記者 3支流で上流方向に削られる・浚渫後の再堆積を観察 “橋脚安全補強し川床維持石積み 設置すべき”要求
←野党と環境団体が構成した4大河川市民調査団員が先月19日午後、慶北(キョンブク)亀尾(クミ)市、海平面(ヘピョンミョン)のスンソン大橋の下で逆行侵食が起きた現場を見て回っている。 サンジュ/イジョングン記者 root2@hani.co.kr
4大河川事業が繰り広げられている洛東江の支流で‘逆行侵食’が進行中である事実が政府の依頼した調査で確認された。この間、政府は洛東江と南漢江(ナムハンガン)支流で発生した川底侵食、橋・堤防崩壊などの被害は環境団体が主張する逆行侵食とは関係がないと明らかにしていた。
16日、韓国水資源学会のイ・ナムジュ慶星(キョンソン)大教授(土木工学)等、専門家3人が国土海洋部の依頼で洛東江の屏城川・甘川・黄江など3支流を現場点検した結果、支流上流側へ進行中の‘逆行侵食’と本流-支流合流部に土砂が積もる‘再堆積現象’等、洛東江大規模浚渫による副作用が観察された。
イ教授らは5月末国土部から調査の依頼を受け現場を点検した後、その結果を最近水資源学会誌の<水と未来>に発表した。 今回の調査の結果、環境団体と政府が逆行侵食有無を巡り論議を行った屏城川では上流1.3km地点まで逆行侵食が発生していたことが確認された。イ教授ら水資源学会調査団は△合流部の川底が深さ約3mに削られていた点△屏城橋まで右側の水辺が深さ2mで崩壊した点などを逆行侵食現象と認定した。水資源学会調査団は逆行侵食が上流に広がる可能性があるとし、屏城橋の補強と川床保護石積みの設置が必要だと付け加えた。 調査団はこの間報道されなかった黄江で逆行侵食が最も活発に起きていたと明らかにした。
特に洛東江合流部から上流5.5kmまで‘沸騰渦流’(boil vortex)という特異な現象が観察された。本流の大規模浚渫により支流の流速が速まり支流川底の粘土が渦を巻きあげる現象だ。調査団は「こういう現象は川底傾斜が急になり流速が速まり現れたと判断される」と明らかにした。 また、黄江と洛東江合流部には再び積もった土砂50万~60万立方Mが目撃された。荒々しい水の流れが支流の砂を大規模に削ってきて洛東江浚渫が‘無駄’になったのだ。 反面、甘川(カムチョン)の逆行侵食は微小だった。調査団は「河川を横断する車両通行路が頭部侵食(逆行侵食)の上流への伝播を防いだため」とし「車両通行路を撤去すれば頭部侵食が進むだろう」と見通した。 調査団は支流が堤防崩壊など総体的危険に置かれているという直接的証拠は見つからなかったが△橋脚の安全検討と補強△川床維持石積み設置△再堆積区間の浚渫中断などの措置が必要だと指摘した。
この間、政府は4大河川支流の逆行侵食に対し「上流の降水にともなう一部川床変動」とし、原因を雨のせいにするかと思えば、再堆積については「河川の流れに伴う自然な現象」と主張するなど、環境団体らの憂慮を無視してきた。だが、政府が専門家に委託し実施した今回の調査でこういう結果が出たことにより、政府の主張は説得力を失うことになるものと見られる。 韓国建設交通技術評価院の洪水防御技術開発研究団研究費の支援で遂行された今回の調査結果は近い将来 政府に報告される予定だ。 ナム・ジョンヨン記者 fandg@hani.co.kr
※逆行侵食(頭部侵食)とは、本流で大規模浚渫が行われると本流と支流の川底の高さの差が大きくなる。これに伴い、支流の流速が速まり川底や堤防、橋脚が上流方向へ次第に削られる現象が現れる。集中豪雨時には強まった水の流れが支流の砂を削って下り本流に巨大な砂場を再び作る。洛東江では6月末まで南山の6倍を越える3億4000万立方Mの砂(浚渫土)が掘り返され、川底の高さの差が大きくなった。韓国水資源学会調査団は洛東江本流と屏城川、甘川、黄江の間に約3mの標高差が観察されたと明らかにした。砂利と砂が混じった南漢江支流より、きれいな砂が多い洛東江支流で逆行侵食が活発になったと専門家たちは見通している。 原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/492002.html 訳J.S