本文に移動

三星側、自殺労働者の投身危険 あらかじめ知っていた

原文入力:2011-02-11午前09:32:53(1720字)
"管理要員が‘うつ病’‘自害未遂 何度も’病院に陳述"
キム氏 遺体 一ヵ月間 冷凍庫に
"管理 ずさん 会社は責任を認めよ"

チョン・ジンシク記者

←先月11日、忠南、牙山の三星電子湯井事業場で投身自殺したキム・ジュヒョン氏の遺体を検案した順天郷大 天安病院の応急医療センターの臨床記録。右下に "うつ病" "suicide(自殺)に対する言及があった" という字句が見える。 パンオルリム提供

先月11日、忠南、牙山の三星電子湯井事業場寄宿舎13階から落ち、自ら命を絶ったキム・ジュヒョン(25)氏事件(<ハンギョレ> 1月13日報道)が起きて一ヶ月が過ぎた中で、三星側が事件直後からキム氏の相次ぐ自殺企図とうつ病を予め知っていたという事実が新しく確認された。

10日<ハンギョレ>が入手したキム氏の死体検案書と応急医療センター臨床記録を見れば、"うつ病" "suicide(自殺)に対する言及があったという(救助隊陳述)" という字句が書かれている。該当文書を作成した順天郷大天安病院のキム・某教授は「三星側防除要員と職員数人が応急室にきて‘自害を何度も試みた。うつ病があった’という話を私を含む医療スタッフにした」とし「死亡原因を判断するのに必要な情報だったため臨床記録に書いた」と明らかにした。

半導体労働者の人権と健康守り‘パンオルリム’のイ・ジョンナン労務士は「三星が最初からキム氏の自殺企図とうつ病を知っていたという点を明確に示す事実」とし「それにも拘らず三星は一貫して‘自殺ほう助’責任を認めようとしない」と話した。国家人権委員会事務総長を務めたキム・チルチュン弁護士(法務法人 茶山)は先月、牙山警察署に提出した‘弁護人意見書’で 「事故当時、安全・防除業務関係者たち、およびその他の管理者らの業務処理にいかなる過失が存在したのかに関する徹底した捜査がなされなければならない」と要求した経緯がある。

この間、遺族たちは「キム氏が事件当日の夜明けに何と4回も13階に上がり自殺の試みをしたのに、三星側防除要員らが適切な措置をとらずキム氏を6階の部屋に連れて行くばかりで結果的に自殺をほう助した」という主張をしてきた。キム氏が住んでいた寄宿舎の閉回路テレビ(CCTV)記録を見れば、キム氏は事故当日明け方4時22分と5時55分、6時22分と44分に自殺を試みた。特に2回目の試みの時、キム氏を発見し6階の部屋に案内した防除要員らはわずか1~2分で撤収してしまった。以後、キム氏は13階に再び上がり身を投げた。

三星電子関係者は「キム氏が一日10時間以上働いたという遺族たちの主張とは異なり、一部は超過勤務があったが、しばしばあった訳ではない」とし「会社側の過失を認めたり遺族たちに公開謝罪をするには不明な点が多い」と話した。雇用労働部天安支庁は遺族たちの陳情によりキム氏が勤務していた三星電子天安工場に対し勤労基準法と産業安全保健法などの違反有無を調査している。

一方、キム氏の父親 キム・ミョンボク(56)氏は9日、パンオルリムのホームページに文を載せ 「むしろ世の中を生きてきながら多くの罪を犯した父親の私を(神様が)先に連れて行って欲しかった」として「三星電子はチュヒョンの死に公開謝罪することを要求する」と明らかにした。母親のソン・チファ(56)氏も同日、アン・ヒジョン忠南知事のホームページに書いた文で「三星電子が個人の命を大切で高貴なものと考えて行動していたならば、チュヒョンは今、横にいるはず」とし「冷たい安置所の冷蔵庫にゆっくり横になることもできないままのチュヒョンと私に力を貸してください」と訴えた。一ヵ月間にわたり病院の冷凍庫に横たわっているキム氏の遺体はからだの所々が黒く変わってしまった状態だ。

チョン・ジンシク記者 seek16@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/area/462902.html 訳J.S