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延坪島砲撃訓練 開始…北韓対応砲撃すればソウルは安全だろうか?

https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/454752.html

原文入力:2010-12-20午後02:46:22(3602字)

霧など気象に注目し午後2時30分 開始…延坪島など西海5島に住民待避令

北韓、予想できない自衛的打撃公言…延坪島以外地域 爆撃の可能性も

写真共同取材団

軍は20日午後2時30分から延坪島近隣で砲射撃を加える海上射撃訓練を強行した。 軍によれば延坪島西南側(NLL南側)横40km、縦20kmの我が国海域で実施したと明らかにした。 今回の射撃訓練にはK-9自走砲と105㎜牽引砲、パルカン砲、81㎜迫撃砲などが動員された。 海兵隊延坪部隊はこの日の訓練で先月23日の射撃訓練の際に残った弾薬2000余発を全て撃つ方針だ。

軍は延坪島海上の霧が晴れ気象状況が良くなるや直ちに射撃訓練を始めた。海上射撃訓練は1~2時間以内に終わると伝えられた。 国防部関係者は 「訓練時間はそんなに長くないだろう」 としながら 「編成火気が全て動員された」 と説明した。 軍の砲射撃に対する北側の対応はまだないと伝えられた。

住民待避令が下された延坪島には住民と取材記者、官公庁職員、消防支援人材、復旧工事業者職員など280人余りが防空壕に待避している。

駐韓米軍20人余りが参加し統制、通信、医療支援任務を遂行し、UN司令部軍事停戦委員会およびUN司令部会員国代表など9人も参観する。

先立って軍関係者はこの日午後2時<ハンギョレ>との電話通話で 「霧が晴れている」 として 「40分頃には撃てるよう準備している」 と明らかにした。
国防部は先立ってこの日午前8時頃、延坪島をはじめとして西海5島に緊急住民待避令を下した。合同参謀関係者はこの日 「延坪部隊で今日海上射撃訓練を実施することにした」として 「訓練は北方境界線の南の我が国海域で実施される」 と明らかにした。 射撃訓練開始時間は当初午前11~12時の間になると発表されたが、霧などの理由で午後へ持ち越した。 国防部はこの日午後、延坪島周辺の海と空の気象状態を綿密に観測しながら射撃訓練開始時点を推し量ってきた。

わが軍の砲射撃訓練が差し迫り、北韓がどんな対応を見せるのかに関心が集まっている。 特に北韓がわが軍の射撃訓練に対応射撃をするならばその対象がどこなのかも関事心だ。

北韓は先立って17日、南北将軍級会談北側団長名義の通知文を通じ対応打撃を公言した。 通知文は「傀儡軍部好戦者は延坪島で計画している海上射撃を直ちに中止する措置を取らなければならない」として「延坪島砲射撃を強行する、共和国(北韓)領海を守るために2次、3次の予想できない自衛的打撃が加えられるだろう」と明らかにした。 北韓の対応程度により今回の射撃訓練の波紋が決定されるものと見られる。

北韓は先月23日延坪島に対する砲撃前にも警告をしていただけに、わが軍の今回の射撃訓練の時も対応射撃をする可能性が高い。 国連安保理が延坪島射撃訓練計画と関連しロシアの招集要請で19日(現地時間)午前、緊急会議を開催することにしたのも南北両側の武力衝突可能性が高いとの判断に伴ったものだ。 最近の韓半島情勢を振り返ってみれば事態は一戦を避けにくい方向に流れているように見える。

わが軍の射撃訓練は弓を離れた矢となるようだ。 国防部がすでに何回も射撃訓練をすると公言した状態で訓練を中断すれば国内保守層の反発が大きいと見えるためだ。 前回韓米連合訓練の時も射撃訓練再開を公言して米国の反対にぶつかり失敗に終わった経緯がある。 その時も政府が対北韓政策にとても弱気なのではないかという保守陣営の反発があった。

さらに延坪島事態にまともに対応できない点を上げて国防部長官まで交替した状態で国防部が退くことはより一層難しい。キム・クァンジン新任国防部長官は19日、国防部記者らと会い 「過去の旧韓末のように弱小国だった時は強大国の話に影響を受けたが、今はそうではない」 と明らかにしてロシアの射撃訓練自制要請が考慮対象でないことを明確にした。

北韓はどのように出てくるだろうか?
北韓の色々な動きから見る時、北韓もいかなる形態であれ反応する可能性が高い。これは何より先月23日延坪島を狙った砲撃が北韓の‘戦術変化’ではなく‘戦略変化’に従ったものという分析に基づく。 北韓は李明博政府になって3年近く‘宥和政策’あるいは‘北韓式太陽政策’を展開したが李明博政府には関係改善の意志を見せなかったと主張する。 イ・ミョンバク政府はむしろ'戦略的忍耐’を通じて‘北韓崩壊’を待つ政策を露骨化した。 これに伴い、北韓も南北和解政策基調をやめ軍事力を動員した強硬政策に反転したということだ。

北韓国のこういう戦略変化を可能にしてくれるのは中国の存在だ。 中国は経済的な側面と軍事外交的な側面から北韓との関係を強化している。 経済的な側面を見れば、金正日国防委員長は去る5月と8月の二度にかけて中国を訪問し両国間の経済協力を大きく強化することにしたと伝えられている。 特に黒龍江省、吉林省、遼寧省などを開発する中国政府の‘東北振興政策’に北韓が積極的に協力するという観測が出てきている。 匿名を要求したある国策研究機関の研究委員は「現在の中国の経済力を考慮すれば北韓に一年数十億ドルを支援することも不可能でない」と指摘する。

中国と北韓の経済協力が強化されれば韓国は経済交流対象としての価値が減ることになる。 金大中政府とノ・ムヒョン政府時には南北経済協力が北韓の武力行動を制御する制御装置として作動したが、李明博政府はそのような制御装置をすでに喪失した状態だ。 中国は軍事外交的にも北韓の強力なつっかい棒になっている。 これは中国包囲戦略を取る米国とこれを突き抜けようとする中国の戦略的葛藤の隙間を北韓がよく捕らえたので可能だという分析もある。

米国は中国の経済力が大きくなることによって中国を取り囲む戦略を取っている。 アフガニスタン戦争に続きベトナムとの関係緊密化、韓-米-日3角軍事同盟強化などは全て対中国包囲戦略と読むことができる。 中国はこういう封鎖戦略を突き抜けようと思っており北韓は中国のそのような‘欲求’をよく読みだし延坪島砲撃をするに至ったという分析が出てくる。 対中封鎖を破ろうと思う中国としては北韓が延坪島砲撃のような軍事行動をしても積極的に戦争拡大防止に出るという判断をしたということだ。 実際中国は延坪島事態以後に戴秉国外交担当国務委員を韓国、北韓に特使として派遣し事態収拾に出た。

北韓は今や軍事力を動員して米国と韓国を交渉テーブルに呼び入れようとする戦略を駆使していると見られる。 北韓の既存政策が‘対南宥和政策→南北関係改善→6者会談および北米対話→平和協定議論’だとすれば今は‘対南宥和政策→南北関係改善’政策を‘韓半島軍事的緊張強化’に変えたわけだ。 こういう変化を通じて‘6者会談および北米対話→平和協定議論’に進むという戦略を選んだということだ..

こういう分析に基づくならばわが軍の延坪島射撃訓練に北韓が対応射撃をする可能性が高い。 北韓は果たしてどんな方法でどこを狙うだろうか? まず延坪島ではない可能性が高いという指摘が多い。 北韓は今まで劇的効果を高めることによって行動の影響力を極大化してきたと見る時、すでに一度使った‘延坪島カード’を再び使う可能性は低いということだ。

北韓の別のカードとしては△北方境界線南の海上を狙った砲撃や△ペクリョン島、京畿道一円でなければ極端な場合、ソウルを狙った砲撃などが挙げられる。 北韓がどんなカードを使おうがわが軍の戦闘爆撃機が北韓のケモリ海岸をはじめとする砲発射基地を打撃する可能性が高い。 この時、北韓も戦闘機を動員した対応に出る場合、軍事的衝突の緊張度は極端に高まるだろう。

北韓が京畿道やソウルなど内陸に向かって砲撃をするならば南北が全面戦争まで広がりうる。 北韓もこのカードを簡単に持ち出すことはできないと予想される。 しかし何回も北韓訪問経験を持つある言論人は「中国との最近の密着度も戦争をすれば共倒れになるという戦争拡大反対意識、そして韓半島で戦争が起きることを望まない米国の態度などを考慮する時、北韓は内陸地方を対象に対応射撃をしても全面戦争まで達しはしないと判断する可能性もある」と指摘する。 京畿道やソウルも100%安全ではないという言葉だ。

eニュースチーム、キム・ポグン記者tree21@hani.co.kr

原文: 訳J.S