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健康保険料 少なくするために‘偽装就業’…職場健保‘脱漏 死角地帯’

原文入力:2010-12-14午前08:30:49(1800字)
不公平な健康保険(上)
2年間で1080人余 摘発…20%が江南3区居住者
高所得者ら 偽装申告 日常的に行うが取り締まりは難しい
"給与基準→総合所得基準に直すべき" 指摘も

キム・ソヨン記者

←ソウル、麻浦区、塩里洞の国民健康保険公団総合請願室で請願人らが相談をしている。 国民健康保険公団提供

有名中堅タレント K氏は財産が62億ウォン、昨年総合所得だけで4億6000万ウォンだった。地域加入者として申告し まともに健康保険料を払ったとすればK氏の月間保険料は170万ウォンだ。だが、K氏は知人が経営する建設会社に偽装就職し、健康保険料を月3万ウォンだけ払い摘発された。職場健保加入者の場合、月間給与だけで保険料を計算する点を悪用したものだ。国民健康保険公団は‘偽装就業’期間が3ヶ月と確認されたK氏から保険料500万ウォンを還収した。

また別の有名タレント○氏も昨年所得が1億5000万ウォン、財産が3億6000万ウォンで月間保険料を43万ウォンずつ出さなければならなかったが、タクシー会社に通っているよう偽装して2万3000ウォンだけ払った。○氏も結局、首根っこが捕えられ240万ウォンを還収された。

前職公務員も例外ではない。税務公務員として仕事をし引退したS氏は総合所得が1億ウォン以上であり健康保険料として月間60万ウォンを払わなければならなかったが、税務法人に偽装就業し月給与を30万ウォンと申告し、月に8000ウォン程の保険料だけを払っていた。

自身が所有している建物を賃貸している中小業者に偽装就業した事例もあった。総合所得が1億6000万ウォンを越えるD氏は個人所有のソウル江南区、駅三洞の建物の借家人である中小業者に自身と家族2人が就職しているように偽装し3年間にわたり月15万ウォン程の保険料だけを払い摘発された。還収された金額だけで6000万ウォンに達する。D氏家族がきちんと保険料を払ったとすれば月間200万ウォンずつを納付しなければならなかった。

13日、健康保険公団資料によれば、このように偽装就業を通じて職場加入者を装い保険料を少なく払い摘発された人々が最近3年間で1400人を越えた。2008年 401人、2009年 488人、今年9月現在 594人が摘発された。地域別にはソウル江南区などいわゆる‘金持ち町内’に偽装就業者が集中していることが明らかになった。昨年と今年に摘発された1082人の内、46%にあたる494人がソウル市民であり、江南区住民が113人(23%),瑞草区65人(13%),松坡区43人(9%)で‘江南3区’がソウル全体摘発者の45%を占めていた。

さらに大きな問題は摘発自体が難しいという点にある。関連書類を偽造するなど偽装就業者らの手法が日々巧妙になっていて、完全に調査を拒否する場合も増加している。反面、健保公団は限定された人員が‘潜伏勤務’等を通じてかろうじて取り締まりをしているのが実情だ。公団は毎年△高額所得者(年間2億ウォン以上)と資産家(30億ウォン以上) △芸能人・プロ選手△高所得退職者など、偽装就業可能性の高いいくつかの類型を定め調査をしている。これに伴い、調査類型に該当しない人々は取り締まりの網を避けられており、実際の偽装就業実態ははるかに深刻なものと推定される。

毎年増える偽装就業を阻むためにも職場加入者の保険料を賦課する際に総合所得を基準としなければならないという指摘が出ている。偽装就業者の相当数が総合所得が多い人々で、職場加入者は賃金だけで保険料を計算する点を悪用しているためだ。国会保健福祉委員会所属クァク・ジョンスク民主労働党議員は「総合所得で保険料を賦課すれば職場加入者になっても払う保険料が高くなり偽装就業までしようとする人々が減るに違いない」として「偽装就業が継続的に増加しているのは公平性に問題がある健康保険保険料賦課体系が原因であるだけに改善が必要だ」と指摘した。

キム・ソヨン記者 dandy@hani.co.kr

原文: https://www.hani.co.kr/arti/society/rights/453605.html 訳J.S