失踪から104日後に済州で遺体で発見された30代女性、Jさんの死因について、自ら命を絶ったと結論付けるような態度を示していた警察が、「遺体の腐敗により死因は不明確」だとして、あらゆる可能性を念頭に置いて捜査するとの立場を表明した。
警察庁国家捜査本部のホン・ソッキ本部長は31日の定例記者懇談会で、Jさんの死因について「遺体の腐敗によって死因不明であることが確認された」とし、「あらゆる可能性を念頭に置いて捜査している」と述べた。
警察は24日に済州市翰林邑のヤシ農園でJさんの遺体が発見された際、「遺体の姿勢や位置などから、他殺の可能性は低いと判断している」と述べていた。ユ・ジェソン警察庁長職務代行も同日、国会行政安全委員会の全体会議で、犯罪に巻き込まれた可能性について「まだ確認されていない」としつつも、「済州警察庁長から報告を受けたところ、首をつって死亡したと推定される」と述べていた。
警察はその後、死因をめぐって波紋が広がったことを受け、27日にヤシ農場で再現実験をおこなった。しかし警察はこの日、「死因は不明」だとして、Jさんがヤシの木で自ら首をつって死亡した可能性に重きを置いていた当初の姿勢とは距離を置く態度を示した。
性急に死因を断定するような態度を示してきた警察に対しては、批判の声もあがっている。建国大学のイ・ウンヒョク教授(警察学)は「原則的には、1回目の解剖はもちろん、精密解剖を待ってから死因に関する立場を明らかにすべきだ」とし、「警察に対する信頼が非常に低下している中で、(下手に自殺などと言うと)『警察は犯罪と関係ない方がよいと考えている』とすら思われている」と述べた。
これについて警察庁は、国捜本部長の発言は「死因は不明だが、首つりの可能性は考慮しうる」という国立科学捜査研究院の鑑定結果を引用したもので、「警察の従来の立場を覆したものではない」と語った。
一方、行方不明者届を虚偽で終結処理した疑いが持たれているB警長を捜査中の済州警察庁は、1日に事件を検察に送致するとともに、捜査結果を説明する予定だ。ホン・ソッキ本部長は「298件(B警長が担当した失踪事件の数)については全数調査が完了したと報告を受けている」と明らかにした。B警長は昨年3月から約1年6カ月間にわたって済州西部警察署の失踪捜査チームに勤務。B警長が処理した298件の失踪事件のうち、63件は「失踪プロファイリングシステム」にそもそも入力されていなかったか、入力後に削除されていたことが確認されている。その中に虚偽による終結事件がどれだけ含まれているかは、済州警察庁がブリーフィングで明らかにするとみられる。