改正刑事訴訟法の施行を前に、「済州失踪事件の虚偽終結」と「光州女子高生殺害事件の容疑者をめぐる不正捜査疑惑」が相次いで発覚し、警察組織全体が揺らいでいる。警察の捜査権拡大を控え、国民の目はさらに厳しくなったが、13万人からなる組織を支える内部統制網の弱点が各所で露呈し、深刻な信頼の危機に直面していると指摘されている。権限に見合った責任を求める世論の厳しい目にさらされることになった。
最近波紋を広げている警察をめぐる2つの事件には、地域の現場での権限乱用や不適切な処理を摘発すべき1次的な内部統制網が機能しなかったという共通点がある。25日に拘束令状が発付された済州西部警察署所属のB警長は、管理者の承認なしに事件を終結できる失踪者プロファイリングシステムの弱点を悪用した。これに先立ち、光州光山警察署が関与した「光州女子高生殺害事件」でも、チャン・ユンギ容疑者の父親で18年間光山署に勤務した人物の内部人脈を通じて、被疑者側にさまざまな便宜がはかられ、捜査情報が次々と流出したが、これを防ぐ制度的な装置はまったく機能しなかった。
それでも警察は、問題が大きくなってからようやく内部調査に着手し、場当たり的な対応を打ち出す「事後対応」を繰り返している。済州失踪事件の場合、B警長が担当した失踪事件298件のうち10件ほどについて、任意終結が疑われている状況にある。これについて警察は26日、遅ればせながら過去3年間に終結した失踪事件約31万件を全数点検し、非対面での終結の禁止と刑事課長による終結承認の義務化などの内容を含む「失踪捜査チーム運営刷新案」をまとめた。光州女子高生殺害事件をめぐっては、全数調査で警察官の親族が関与した事件が全国で117件に達することが判明したが、急ごしらえで打ち出した「循環人事制度」が組織内部の激しい反発に直面しており、実施が難航しているのが実情だ。
警察に対する信頼の危機が政権レベルの負担へと波及するなか、政府も刷新を強く迫っている。李在明(イ・ジェミョン)大統領が25日、国務総理室傘下の警察改革機関の設置を指示したのに続き、ユン・ホジュン行政安全部長官はこの日異例にも、ユ・ジェソン警察庁長官職務代行ら警察指揮部が参加する「緊急警察指揮部会議」を自ら招集し、内部刷新を指示した。ユン長官は、警察指揮部とともに「国民の皆様に心よりおわび申し上げる」と頭を下げた後、警察に済州失踪事件の真相究明と失踪業務システムの全面的な再検討を指示した。
警察内部でも、10月の刑事訴訟法改正による捜査権拡大という「機会」が、逆に13万人からなる警察組織全体が世論の厳しい目にさらされる「危機」に変わったとみる懸念が少なくない。警察はこれまで、国家警察委員会傘下の人権・監察調査機関の設置、内部不正捜査隊の新設、外部人員が参加する捜査改革委員会の発足など、相次いで自主的な改革策を打ち出したが、反応は冷淡だ。検察庁の廃止を受け、捜査の自律性が大幅に拡大した警察に向けられた世論の不信を払拭するには力不足だという評価だ。ある警察関係者は「以前であれば、首都圏より監視が緩い地域警察署で起きたことは、個別の逸脱として片付けたはずだが、いまでは組織全体の規律の緩みと結びつけて受け止められる状況」にあるとし、「警察全体に責任を求める社会の目はさらに厳しくなるだろう」と述べた。
職務能力や倫理意識のばらつきが大きい13万人の構成員に対する内部統制が、最大の難題として浮上している。建国大学のイ・ウンヒョク教授(警察学)は「非常に強力な統制装置を自ら導入し、大統領直属の機関を通じて実効性を担保するなど、警察改革を強く推進しなければならない」と述べた。