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金正恩委員長とトランプ大統領が再会したら【コラム】

朝鮮の核保有国としての地位、ロシアは「承認」、中国は「黙認」、米国は? 
ロシアとウクライナの戦争およびイラン戦争の長期化に伴い、朝鮮戦争終結の誘因強まる 
韓国の戦時作戦権移管、条件から時期へと切り替え、平和体制の構築に集中すべき
チャットGPTにコマンドを入力して生成した画像//ハンギョレ新聞社

 トランプ米大統領は、自身の希望通り「年内」に朝鮮(北朝鮮)の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と会えるだろうか。現時点では分からない。とはいえ、二人が会ったらどのような事態が起こるのか、検討する価値はある。「歴史において『もし』は無駄だ」とよく言われるが、これから起こる出来事に対する仮定には意味がある。未来に対する予測は、今日の選択にも大きな影響を与えるからだ。

 両首脳が2018年から2019年にかけて3回会談した際、「甲(強者)と乙(弱者)の関係」は明らかだった。ところが現在、金委員長は自身も「甲」となり、そのように扱ってほしいと求めている。金委員長は、ロシアのプーチン大統領や中国の習近平国家主席を相手に、これを貫いたと言っても過言ではない。核保有国の地位に関して、ロシアからは事実上の「承認」を、中国からは「黙認」を引き出したのだ。次は米国の番だ。

 ところが、朝鮮の視点からすると、「二つの米国」が存在する。一つは「対朝鮮敵視政策を堅持している」米国という国であり、もう一つは金委員長と「良好な関係」にあるトランプ米大統領だ。金正恩政権は「シーズン1」の時点では、これを区別できなかった。二人の指導者間の友情が、両国間の敵対関係を覆す「神秘的な力」になると信じていたのだ。朝米会談で「煮え湯を飲まされた」朝鮮は、今や両者を明確に区別しようとしている。そしてトランプ大統領に対し、金委員長に会いたければ「米国の対朝鮮敵対政策」をまず解決すべきだと迫っている。

 朝鮮の言う米国の敵対政策とは、韓米(日)合同演習および戦略資産の展開、対朝鮮制裁、平和協定および国交樹立の拒否、非核化問題などを指すと言える。ところが、これらを一括りにするには、朝鮮の考え方が大きく変わった。合同演習は、朝鮮の言う米国の対朝鮮敵対政策に常に含まれてきた。非核化自体は、過去には敵対政策のリストに含まれていなかったが、朝鮮が不可逆的な核保有国の地位を追求するにつれ、非核化要求を代表的な敵対政策と見なし、これを放棄するよう求めている。一方、「過去の朝鮮」が強く要求していた制裁の解決や平和協定の締結、そして朝米国交樹立については、「変わった朝鮮」はもはや言及していない。これを要求すれば非核化の要求が出てくることを警戒し、「密かな宿願」としているわけだ。

 では、トランプ大統領はどうだろうか。まず8月中旬、合同演習の大幅縮小を指示することで、この問題に手をつけた。トランプ大統領は、朝鮮が「米国を脅かすこともなく、米国を尊重」しており、「我々が北朝鮮を標的に大規模な軍事演習を行うということが気に入らないのだ」という理由を挙げている。これは首脳会談の実現に向けたラブコールに他ならない。では、朝米首脳会談が開かれれば、合同演習はどうなるだろうか。おそらくトランプ大統領は、少なくとも自身の任期中は大規模な合同演習を行わないと約束するだろう。そうなると、合同演習を通じて韓国軍の戦力を検証することにした戦時作戦権の移管にむけた条件充足が複雑になる。朝米首脳会談が実現した場合、韓国に突きつけられる第一の課題はまさにこれだと言える。

 より重要な問題である非核化はどうだろうか。トランプ大統領は8月19日(現地時間)、朝米首脳会談の目標が非核化なのかという質問に対し、「その話はしたくない」と答えた。「金正恩(委員長)とは良好な関係」であり、「核兵器を57発」も保有している国と仲良くするのは「良いことだ」とも語った。これは朝鮮からすると、非核化という器に水が半分残っているように映る可能性がある。だからこそ、器を完全に空(から)にするよう要求しているのだ。ところがトランプ大統領は以前、何度か「大きな器」に言及したことがある。核兵器を多く保有する米国、ロシア、中国などが先に核軍縮に乗り出し、そこに朝鮮も参加させようというのだ。これは、朝米首脳会談が開かれれば、「両国は核の脅威や核兵器のない世界に向けて共同で努力することにした」といった形の合意が発表される可能性を示唆している。また、朝鮮が核兵器をこれ以上増やさないこと、大陸間弾道ミサイルの試験発射および開発を中断することにしたとして、対朝鮮制裁を緩和する可能性もある。韓国はこれをどのように受け止めるべきだろうか。

 注目すべき問題は他にもある。対朝鮮制裁の緩和に加え、平和協定の締結と朝米国交樹立は、朝鮮の非核化に対する見返りとみなされてきた。朝鮮が強く望んだからこそ成立し得た方程式だ。ところが、変化した朝鮮はもはやこれについて言及しておらず、トランプ大統領はこれを見返りではなく、米国にとっても良いことだと考えているようだ。朝米首脳会談が実現すれば、トランプ大統領がこれらの問題を先に持ち出す可能性もある。特に朝鮮戦争の終結および平和体制の問題については、その可能性が非常に高い。

 トランプ大統領は2025年10月29日の韓米首脳会談で、「朝鮮半島が公式的にはまだ戦争状態にあることを承知している」とし、「金正恩(委員長)と共にこれを是正するために非常に懸命に取り組む」と誓った。トランプ大統領としては、その動機がさらに強まったと言える。早期終戦を豪語していたロシアとウクライナの戦争の長期化、起こすべきではなかった戦争である米国・イスラエル対イラン事態の大混乱、ガザ地区平和構想をめぐる足並みの乱れなどが重なり、「米国史上最も長い戦争」である朝鮮戦争に終止符を打たなければならないという考えを抱くのも無理はない。このように非核化が水面下に沈み、平和体制が水面上に浮上してきた場合、韓国はどのように対応すべきだろうか。

 もちろん、前述の内容とは異なる結果になる可能性もある。それでも、私たちはこのシナリオに備える必要がある。拙著『自主国防のコストパフォーマンス』に詳述したように、平和体制の構築に集中することが最も有益な選択肢だ。戦時作戦権の移管条件はすでにかなり満たされているだけに、これからは平和体制の構築に向けた取り組みでその環境を整えつつ、戦時作戦権移管の「条件」を「時期」へと変えていかなければならない。また、非核化を「静かに」処理し、朝鮮の核問題を「平和体制」と「世界の核軍縮」という枠組みに収める案も公論化する必要がある。これは、朝米首脳会談の実現可能性を高めつつ、「韓国パッシング」のリスクを減らす案といえる。

チョン・ウクシク|ハンギョレ平和研究所長兼平和ネットワーク代表 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1274179.html韓国語原文入力:2026-08-23 18:52
訳H.J

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