韓国政府がクーパンをはじめとする米企業を差別的に扱っているとする報告書を米国下院が発表したことについて、韓国政府はクーパンの一方的な主張ばかりが記されているとして遺憾の意を表明した。
外交部のパク・イル報道官は2日の定例ブリーフィングで、「韓国政府がクーパンに対して差別的な調査や不当な規制を続けているという報告書の内容は、事実と異なる」と反論した。
パク報道官は「米国下院司法委員会のクーパンに関する非公開の証言について、韓国政府はこのかん、米司法委側とコミュニケーションを取り、韓国の立場を忠実に説明してきた。しかし1日(現地時間)に発表された司法委の報告書がクーパン側の主張ばかりを一方的に反映していることについて、遺憾の意を表する」と述べた。さらに「クーパンに対する調査および措置は韓国の国内法に則って適法かつ差別なく行われており、韓国政府は国籍とは関係なく公正な企業活動環境を保障している」と述べた。
パク報道官は「今後も司法委をはじめとする米議会および行政府と接触を続け、正確な情報を伝える一方、韓国政府が韓米貿易合意を忠実に履行していることを説明する予定」だとして、「政府はクーパンに関する問題が韓米間の安全保障議論に否定的な影響を及ぼさないよう、米国と協議を続けていく計画」だと語った。
米下院司法委は1日、ウェブサイトに「競争の遮断:米国人所有企業に対する韓国の差別的攻撃」と題する35ページの報告書を公開した。報告書は「韓国は数十年にわたり米国人所有企業を標的にしてきており、近年は差別的な扱いがさらに深刻化している」と主張している。クーパンの個人情報漏えい事件については、「不満を抱いた元社員によるデータシステムへの無断アクセス」と規定したうえで、「韓国政府はこれを機として全方位的な攻勢を繰り広げた」と非難。クーパンがハッキング容疑者のノートパソコンを中国で回収したことも「国家情報院が主導した作戦」だと規定し、その措置は国家情報院の指示よるものだったというクーパンの主張を詳しく記述している。
今回の報告書は、海外進出した米企業の状況に対して、第2次トランプ政権の発足以降、米議会が非常に強硬な姿勢を取っていることが影響していると解釈される。米企業が海外で直面している状況について議会の公聴会が開催されるのは異例だが、最近は欧州連合(EU)のデジタルサービス法に関して公聴会を行い、法にかかわった人物を制裁してもいる。米下院はEUのデジタルサービス法について、「表現の自由を侵害する法律」と非難する報告書を2回にわたって発表している。
今回の報告書には、今年2月23日にクーパンのハロルド・ロジャース韓国代表が米下院司法委で非公開で証言した内容も、そのまま反映されているとみられる。報告書は司法委で正式に採択されたわけではなく、補佐陣が作成した中間報告の性格を持つもの。韓国政府は今後、さらに公聴会が行われ、報告書も出されるとみて、韓国の原則と立場を米議会に訴え続けていく予定だ。
外交部の当局者は「米議員からクーパン問題について連名の書簡が送られてきた後、大使館からそれらの議員を訪ねていって返答も送った」として、「韓国の立場を訴え続けるとともに、韓米関係に負担がかからないよう努めていく」と語った。