本文に移動

【独自】「無念さが体を蝕んだ」…セウォル号遺族ら、時間の経過のと共に疾病が悪化

登録:2026-04-16 06:44 修正:2026-04-16 09:17
イ・ウォニョン教授チームの研究結果
2019年10月31日午前、ソウル中区のポストタワーで開かれたセウォル号惨事救助捜索の適正性調査内容の中間発表記者懇談会で、セウォル号惨事の犠牲者の遺族たちが涙を流している=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 「無念さが体を蝕んでいたんだ」

 セウォル号惨事から6年余りが経過した2020年12月、遺族のヤン・オクジャさん(57)が乳がんの診断を受けた際、こう思ったという。息子のホ・ジェガンさん(檀園高校2年7組)を惨事で失った悲しみに加え、真相究明の訴えと拒絶、二次被害が続き、無念さが幾重にも積み重なった。ヤンさんは翌年、手術を受けて回復したが、周囲の遺族も皮膚疾患や糖尿病を新たに患うケースが徐々に増えているという。ヤンさんは14日、ハンギョレの取材に対し、「遺族に向けた誹謗中傷、遅々として進まない真相究明を見守りながら、心の中で押し殺してきた鬱憤が、結局は病気となって表れているようだ」とし、「これまで抑え込んできた苦しみが、2~3年前から病気となって表れている家族を多く見かける」と語った。

 セウォル号惨事の犠牲者の遺族の身体的疾患が、時間が経つにつれてかえって深刻化したという研究結果が出た。社会的惨事の後も続いた拒絶や嫌悪に立ち向かわなければならなかった状況の中で、「時間が妙薬にならなかった」遺族の現実を示している。

 ハンギョレが、今月16日のセウォル号惨事12年を控え、14日に入手した「未解決の災害関連死別による長期的な身体・精神健康への影響」(イ・ウォニョン中央大学医学部教授チーム)の研究によると、 セウォル号遺族は、惨事以前の健康状態が同じ程度だった一般人(対照群)に比べ、惨事から7~8年目(2020年5月~2022年4月)には、1人当たり5.71回(2年平均)多く、身体の疾患で病院の外来診療を受けていた。事故当初は大きな差がなかったが、時間が経つにつれて差がさらに広がる傾向が見られた。この研究は国民健康保険公団のデータを利用し、事故前の3年間(2011年)から事故後の8年間(2022年)まで、遺族388人と一般人1552人の病院受診履歴などを追跡・比較した結果であり、最近「欧州トラウマ心理学ジャーナル」に掲載された。

 イ教授は、時間が経つにつれて遺族の身体疾患が増えていることについて、「心理的苦痛が解消されず長期化することで、免疫系や炎症反応に影響を与え、身体の疾患につながった」とし、「災難後の長期的な健康問題は単なる個人的な問題ではなく、国家の対応や社会的追悼の在り方に影響を受ける」と語った。惨事の後、適切な哀悼と追悼が行われなかった状況で、遺族のストレスが身体の疾患の悪化として表れたという意味だ。

 遺族が惨事から7〜8年後に経験した病気の種類は多岐にわたっていた。この時期、糖尿病や甲状腺疾患などの「内分泌・代謝疾患」が発症し、病院を訪れた遺族の割合は一般人に比べて2.11倍であり、胃炎・肝疾患を含む消化器系疾患の発生割合も一般人より1.46倍高かった。脳卒中や麻痺のリスクなどを含む神経系疾患も1.44倍高かった。イ教授は「遺族集団全体として、ほぼすべての種類の疾病リスクが一般人より1.5倍以上高いという結果は深刻だ」とし、「初期には急性ストレスによる脳卒中や心筋梗塞が現れ、時間が経つにつれて潜伏期間の長いがんや慢性疾患が頭をもたげる可能性がある」と説明した。

 政府の支援方式は遺族たちの「長い苦しみ」に追いついていない。「セウォル号被害支援法」は、身体的・精神的な後遺症の治療のための医療支援金の支給期限を2029年4月までとしている。イ教授は「災害被害者の健康権を実質的に保障するシステムが定着しなければならない」とし、「こうした体制が整わなければ、務安(ムアン)空港や梨泰院(イテウォン)惨事など、他の社会的惨事でも同じ問題が繰り返されるだろう」と指摘した。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1254197.html韓国語原文入力:2026-04-14 19:36
訳H.J

関連記事