先月28日、国連軍司令部の関係者は記者団に対し、国会で議論されている「非武装地帯(DMZ)の平和的利用に関する法律」(DMZ法)について、「DMZ法が可決されれば、停戦協定と正面衝突することになる」と述べた。
国連軍司令部の関係者は同日、「もし韓国政府が国連軍司令部の承認なしに非武装地帯内の民間人の立ち入りを許可すれば、停戦協定違反に当たる」とし、「停戦協定上、軍事境界線以南の非武装地帯の管轄権は国連軍司令官にあり、(この権限には)過去70年以上にわたりいかなる変化もなかった」と強調した。
1953年7月27日に締結された停戦協定は、停戦管理の基本方針を包括的に示すもので、非武装地帯への立ち入りに関する手続きや軍事境界線の通過などを具体的に定めた内容は存在しない。非武装地帯に関する実質的な管理と運営は、国連軍司令部の規定に基づき行われている。国連軍司令部規定551-4は「国連軍司令部が管理する南側の非武装地帯への立ち入りを許可する権限は国連軍司令部軍事停戦委員会(UNCMAC)秘書長にある」と明記している。
国連軍司令部が昨年12月16日に発表した声明には「停戦協定第1条9項が非武装地帯の立ち入り管理権限(jurisdiction to control access)を与えている」という内容があるが、停戦協定の原文には「管轄権」(jurisdiction)という言葉は見当たらない。停戦協定では「軍事統制」(military control)という言葉がいくつかの条項で繰り返し登場する。
「非武装地帯の管轄権は国連軍司令官にあり、過去70年間にわたりいかなる変化もなかった」という国連軍司令部側の主張も事実と異なる。
1953年7月の停戦協定締結以来、2000年以前までは軍事停戦委員会や国連軍司令部だけでなく、北朝鮮も非武装地帯に対する管轄権という言葉を使ったことがなかった。2000年6月の初の南北首脳会談以降、ソウルと新義州(シンウィジュ)を結ぶ京義線鉄道や文山(ムンサン)と開城(ケソン)間の道路、金剛山(クムガンサン)観光に向けた南北間道路の接続のために、非武装地帯の一部を開放し、該当地域の地雷を除去する過程で、「管轄権」と「管理権」(administration)という概念が登場した。国連軍が初めてこの概念を提起し、韓国国防部が同意したという。
当時、工事と南北交流協力のために多くの民間人が非武装地帯に入り、軍事境界線を越えて北朝鮮に行くことになったため、立ち入りの許可問題が浮上した。韓国政府と国連軍司令部は彼らの円滑な通行を保障するため、非武装地帯内の一部地域を南北管理区域として指定・設置し、韓国政府が立ち入りを許可し、国連軍司令部に最終通知する方式で管理権と管轄権を区分することにした。国連軍司令部が最終承認権を維持する一方、実質的な運用は韓国政府が行うように調整された。
盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、韓国と米国は戦時作戦統制権(戦作権)の移管前に、韓国軍が非武装地帯への立ち入り許可などの権限を国連軍司令部から引き継ぐことで合意したこともあった。韓米は2007年11月にソウルで開催された第39回韓米安全保障協議会(SCM)の共同声明で、「両長官は合意されたロードマップに従い、国連軍司令部と韓国軍間の停戦管理責任の調整を2012年4月の戦作権移管前に完了することで合意した」と発表した。当時の国防部関係者は「来年(2008年)まで国連軍司令部が引き続き担う任務と韓国合同参謀本部に引き継ぐ課題を特定し、その後これをどのように移譲するかを決定することになる」と述べた。また「停戦管理権限は国連軍が維持するが、韓国軍は非武装地帯の立ち入りの承認や非武装地帯内部の事件・事故調査など、実際の管理任務のかなりの部分を引き継ぐ方向で協議が進むだろう」と説明した。停戦管理責任の調整は、李明博(イ・ミョンバク)・朴槿恵(パク・クネ)政権が戦作権の移管を引き延ばし続けた結果、実現しなかった。
戦作権の移管が現実味を帯びれば、韓米は非武装地帯の立ち入りの許可など停戦管理の責任の調整に再び取り組まなければならない。最近、ドナルド・トランプ政権が新しい国防戦略(NDS)を通じて北朝鮮の通常戦力による脅威については、韓国が責任を負うべきだという方針を示したため、戦作権の移管にも弾みが付く見通しだ。戦作権の移管前に国連軍司令部と韓国軍の間の停戦管理責任の調整を終えることで合意した2007年の韓米合意を考えると、最近の非武装地帯の管轄権を強調する国連軍司令部の態度は常軌を逸するものだ。
現在は非武装地帯に民間人は立ち入ることができず、軍人だけが入ることができるとされているが、停戦協定締結当時は非武装地帯内で農業を営む南北の住民の生計活動が認められていた。停戦協定締結から6カ月後に採択された追加合意でも、非武装地帯内の居住者と農業活動のための民間人の自由な立ち入りが保障されていた。
国連軍司令部は「非武装地帯に誰がどのような目的で立ち入ることができるかについて、国連軍司令官の権限をすべて否定している」とDMZ法に反対する前に、非軍事的な事案で民間人の非武装地帯への立ち入りを許可した停戦協定の趣旨を振り返る必要がある。