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韓国の「地域医師制」、医学部入試に振動…「ソウル在住でも隣市の高校に行けば済む」

登録:2026-01-26 07:50 修正:2026-01-26 09:50
「ソウル中渓洞に住み、すぐ隣りの京畿道議政府市に行こうかという悩みが現実に」
医学部の学生たち/聯合ニュース

 「医学部志望の中学生の子を持つ知人は、急きょ(京畿道)南楊州(ナミャンジュ)への引っ越しを考えています」(保護者によるオンライン入試コミュニティーへの投稿)

 政府が2027学年度の大学入試からソウルを除く全国32の大学医学部に導入する「地域医師制」の選考に対し、保護者と私教育(塾や習い事)業者の関心が高まっている。医学部への入学競争が激しすぎるため、新たに実施される地域医師制を使ってでも医学部に進学しようという空気があるからだ。

 23~24日、ソウルの鍾路学院木洞(モクトン)店と大峙(テチ)店では、地域医師制選考を含む入試の説明会が開かれた。鍾路学院のイム・ソンホ代表は「京畿・仁川(インチョン)圏は道ひとつはさんで(地域医師制選考の)対象か対象外かが分かれる構造なので、保護者は非常に敏感になっている」と語った。そして「特に地域制限の対象外の現在の中学生は、ソウルの江南区(カンナムグ)に住んでいても(京畿道の)九里市(クリシ)の高校に行けば済む。(ソウルの)中渓洞(チュンゲドン)に住みつつ、すぐ隣りの(京畿道の)議政府市(ウィジョンブシ)に通おうかという悩みが現実のものとなっている」と話した。

 鐘路学院で配られた入試説明会の資料には、地域医師制への出願が可能な400人以上の学生数を有する全国の14の高校と、1学年300人以上を有する京畿・仁川地域の28の学校のリストが掲載されていた。生徒数の多い「大規模学校」に進学すれば内申競争構図において有利になるため、地域医師制での合格の可能性が高いからだ。地域医師制選考で医学部に入るためにはどの地域のどの学校に移れば有利なのかという「戦略的移住」のシナリオがすでに論じられているのだ。

 保護者と私教育業者が「引っ越し」を語るのは、地域医師制選考の出願条件が厳しいからだ。その医学部の隣接地域に居住しており、京畿・仁川の一部と非首都圏地域で中学と高校に入学・卒業する必要がある。ただし現在の中学校1~3年生は、入試の予測可能性などを考慮し、該当の地域で高校のみ入学・卒業すれば出願が可能となる。このような理由から、ソウルの江南区に住む中学生であっても、地域医師制の実施地域に引っ越して高校を出れば、出願できるようになる。地域医師制は、医学部の新入生の一部を地域医師選考で選び、授業料などを国が支援する代わりに、その学生は医学部卒業後10年間は決められた地域で医療に従事することが義務付けられる制度。地域医師制の規模が決まるのは来月3日ごろの予定だ。

 オンライン入試コミュニティーもざわついている。出願が不可能な地域の保護者は、「居住地ひとつで医学部進学の機会が異なるのは公正なのか」として、「医師になろうとする意志や使命感より住所地の方が重要な変数になるのではないか」と不満の声をあげている。別の保護者コミュニティーには「地方での医学部進学の方がはるかに容易だから『脱大峙』(大峙洞からの引っ越し)を深刻に悩んでいる」と投稿されている。

 教育界のある関係者は、「地域医師制選考に出願したら医学部進学のハードルがやや低いことが見通されるとともに、偽装転居、戦略的転校などの副作用が発生する可能性がある。制度を精密に企画する必要がある」と指摘した。

 保健福祉部の関係者は「入試現場から提起される戦略的移住などの短期的な副作用が生じる懸念については、様々な意見を取りまとめ、制度を細かく設計する」と述べた。

シン・ソユン、イ・ウヨン、ソン・ジミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/schooling/1241586.html韓国語原文入力:2026-01-26 05:00
訳D.K

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