李在明(イ・ジェミョン)大統領は11日午後、「旧統一教会(世界平和統一家庭連合)からの金品授受疑惑」に巻き込まれた海洋水産部のチョン・ジェス長官の免職案を受理した。チョン長官は、初代李在明内閣で初めて辞任した長官級高官となった。これに先立ち、チョン長官は米国出張を終えて帰国し、仁川国際空港で記者団に「長官職を辞して堂々と(捜査に)応じる」と述べた。大統領室と与党は「捜査結果を見守る」としながらも、与野党を網羅した旧統一教会の全面的なロビー疑惑が、内乱清算の動きと来年の地方選挙にまで悪影響を及ぼすのではないかと懸念している。
大統領室高官はこの日、チョン長官の旧統一教会からの金品授受疑惑に関して、「旧統一教会のユン・ヨンホ元世界本部長が自分を守るため嘘をついた可能性もあり、どこまでが真実なのかも明らかになっていない状況」だとしたうえで、「正確な実体は捜査が進んでから分かるだろう」と述べた。共に民主党のペク・スンア院内報道担当も国会で記者団に「捜査過程で旧統一教会による金品ロビー疑惑を把握したキム・ゴンヒ特検が、事件を国家捜査本部に移牒し、大統領も厳正な捜査を指示した」とし、「近いうちに捜査を通じて真実が明らかになるだろう」と語った。
ただし、民主党内部では、今回のロビー疑惑の余波が政権全般に対する道徳性論議へと広がり、内乱清算の過程で守勢に追い込まれていた野党第1党の「国民の力」が争点を希釈したり政治的な反撃をしたりする口実を与えるという懸念の声もあがっている。民主党のある関係者は「現職の長官が過去の金品授受疑惑で辞任というのは、政権にとって明らかに悪材料だ」とし、「何より疑惑に巻き込まれた人物が党の唯一の釜山(プサン)地域の現役議員であり、釜山市長候補として期待されていたチョン・ジェス長官という点で、非常に残念だ」と述べた。実際、チョン長官が6月に李在明政権の初代海洋水産部長官に指名された時、政界ではチョン長官を釜山市長候補に育てるための李大統領の戦略的配慮とみる人が多かった。
国民の力は今回の事態を「旧統一教会ゲート」と名づけ、特検の導入を要求するなど攻勢を強めている。同党はこの日、捜査過程でユン元本部長から与党関係者に金品を渡したという供述を確保したにもかかわらず追加捜査を行っていないミン・ジュンギ特検と捜査チームを職務遺棄の疑いで、さらに、チョン長官と旧統一教会側のロビー対象として言及された民主党の元・現職の議員らを政治資金法違反および賄賂授受の疑いで警察に告発した。
ミン・ジュンギ特検チームのパク・ノス特検補はこの日のブリーフィングで「ユン元本部長の陳述で言及された対象は、特定政党だけの政治家ではなく、与野党の政治家5人」と明らかにした。ハンギョレの取材の結果、ユン元本部長が名前を挙げた政治家5人は、チョン・ジェス長官とチョン・ドンヨン統一部長官、イム・ジョンソン元議員(以上民主党側)、ナ・ギョンウォン議員とキム・ギュファン元議員(国民の力側)。このうち特検チームが金品授受の容疑者として指摘し、警察に渡したのはチョン・ジェス長官とイム元議員、キム元議員の3人であることが確認された。ユン元本部長はチョン・ドンヨン長官については「お金は渡されていない」、ナ議員については「天正宮を訪問したが、金品授受があったかどうかは分からない」と陳述したという。残りの政治家たちは、金品授受の事実はないと釈明している。