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韓国の原潜、どのように推進されるか…オーストラリア「AUKUS協定」に答えが

登録:2025-11-13 06:39 修正:2025-11-15 08:50
李在明大統領が先月29日夕方、慶尚北道慶州ヒルトンホテルで、ドナルド・トランプ米大統領と記念撮影を行っている=大統領室写真記者団//ハンギョレ新聞社

 韓国が米国から原子力潜水艦を確保する「約束」を取り付けた中、燃料供給と建造場所など主要問題について、両国がどのように議論を進めるかに関心が集まっている。韓国政府はオーストラリアが米英と2021年に締結した「AUKUS安保協定」を主要参考事例としている。

■原潜の確保は成果…燃料の「軍事目的の使用」をどう解決するか

 李在明(イ・ジェミョン)大統領は先月29日の韓米首脳会談で、ドナルド・トランプ米大統領に原潜建造のための燃料供給を要請し、トランプ大統領は事実上これを承認した。ところが、トランプ大統領が承認したとしても、韓米原子力協定という「壁」を越えなければならない。2015年に改正された韓米原子力協定は、米国の「事前同意」がない限り、20%未満のウランを濃縮することができない。研究目的の使用後の再処理にも米国の事前同意が必要だ。当該協定は「米国原子力法第123条」に基づいており、「平和的利用」に限られるからだ。

 「韓米関税・安全保障共同ファクトシート」の発表が遅れたのは、原潜と韓米原子力協定の関連文言をめぐり米国政府内部で意見の相違があるためだという。政府は原潜の建造に向け、ウラン濃縮と使用済み核燃料再処理について米国の「包括的承認」を取り付けたうえで、軍事目的の燃料供給のためには別途の協定を結ぶ方針を固めたという。

 政府はこの過程でオーストラリアが米国、英国と結んだAUKUS協定を参考にした。米国は2021年、核不拡散体制の下で例外的にオーストラリアに原潜技術を移転し、建造を支援することにした。インド太平洋の安定を理由に挙げたが、米国の対中国けん制が主な目的だった。原潜技術の移転について米国国内で懸念の声が高まったが、結局オーストラリアは米国と「軍事目的」のための別途協定を締結し、少しずつ議論を進展させていった。

 政府は、韓国もAUKUS協定のように軍事目的の燃料供給のために別途の協定を締結する形で問題を解決できるとみている。米国議会などの反発を押し切って韓米原子力協定の改正を目指すよりは、AUKUSの事例を参考にして別途の協定を結んだ方が良いということだ。

■後続課題も山積…AUKUS、別途の協定締結まで3年

 AUKUSの推進過程を見る限り、後続議論に少なからぬ時間がかかる可能性もある。AUKUS宣言は2021年9月に行われたが、原潜技術の移転などに対し米国国内で懸念が高まり、実際に軍事目的の協定に署名したのは、それから3年後の昨年8月だった。米政権が変わった場合、計画が揺らぐ可能性もある。AUKUS協定の場合、第2次トランプ政権発足後、ジョー・バイデン政権時代に締結されたAUKUSを見直す動きが出てきて、「非常」信号が灯った。

■外相会談で解決するのか…今週が期限?

 原潜関連の内容が含まれる見通しのファクトシートの発表が延期を重ねている。政府は、チョ・ヒョン外交部長官がカナダで開かれる主要7カ国(G7)外相会議の拡大会議で、マルコ・ルビオ米国務長官に会って突破口を開くことを期待している。12日(現地時間)、カナダのナイアガラで開かれる会議に、韓国は議長国カナダの招待で、主要7カ国とオーストラリア、ブラジル、インドなどと共に参加する。ルビオ長官と面会することになれば、チョ長官が自然にファクトシートの発表問題を持ち出すものとみられる。

 政府関係者たちは、韓米首脳会談が終わって2週間が経過しており、今週中にファクトシートが発表されなければならないと口をそろえる。政府は当初、韓米首脳会談の2~3日後にファクトシートが発表される予定だと言っていた。政府関係者は「少なくとも今週中にはファクトシートが発表されなければならないと思う。まだ米国からの回答はないが、ルビオ長官との会談で答えが出ることを期待している」と述べた。

ソ・ヨンジ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1228716.html韓国語原文入力:2025-11-12 08:01
訳H.J

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