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韓米関税・安保交渉文書化、1週間たっても見通せず…米、安保分野で「難癖」?

登録:2025-11-06 09:07 修正:2025-11-06 11:47
李在明大統領と米国のトランプ大統領が10月29日、慶尚北道慶州のヒルトンホテルのグランドボールルームで開催された李大統領主催の首脳特別晩さんで乾杯している/聯合ニュース

 先月29日の韓米首脳会談で妥結した関税・安保交渉の文書化作業が遅れている。韓国政府は当初、「一日から二日後」には合意の結果を記したファクトシートが発表されるだろうと断言していたが、1週間たってもまったく音沙汰がない。韓国政府は「ジョイントファクトシート」の発表に必要な字句作業まで済ませているが、米国側の最終確認が遅れているため発表が遅れている、というのが複数の政府関係者の説明だ。

 先週末までは、ジョイントファクトシートの発表日は4日が有力だった。しかし「発表は難しい」と米国から通告され、先送りされている。米国は「政府省庁間の協議が必要だ」としているが、政府は原子力分野の争点をめぐって米政府内に意見の相違があるとみている。アン・ギュベク国防長官は5日の国会国防委員会全体会議で、前日の第57回韓米安保協議(SCM)後に共同声明が発表されなかった理由について、「ファクトシートがまだ完結していない」として、「いろいろと、原子力潜水艦や韓米原子力協定のような諸問題が、米政府の省庁間の調整が必要となるため、時間が少し遅れているようだ」と述べた。ク・ユンチョル副首相兼企画財政部長官も「経済分野のシートはほぼ終わっており、安保分野のシートさえ終われば、おそらく共にファクトシートにサインすることになるだろう」として、「今、安保分野が議論中なので、(時期は)何とも申し上げにくい」と述べた。

 政府は、ファクトシートの発表遅延は新たに合意された原潜に関する内容と韓米原子力協定の改正と関係しているとみている。政府関係者は「米国は『複数の省庁が絡んでいる状況なので、各自の立場を確認するのに時間がかかる』と述べるにとどまっている」として、「今回新たに合意された原潜と、それにかかわる韓米原子力協定の問題だと理解している」と語った。別の関係者は「米国は原子力に関して、交渉の最後に『難癖』をつけている」と述べた。

 複数の政府関係者の話を総合すると、李在明(イ・ジェミョン)大統領と米国のトランプ大統領の首脳会談後、安保分野のファクトシートには原潜に関する内容が新たに記されたうえ、それにかかわる韓米原子力協定の改正案も一部の文言を修正しなけれなければならない。原子力協定に関する内容は、8月の韓米首脳会談を前に両国が暫定合意したファクトシートに記されているが、当時も「改正」という表現はなかったという。その時の安保分野のファクトシートには、「韓国が米国の事前許可のもとで20%未満のウラン濃縮と研究目的の使用済み核燃料の再処理を行う権限を、米国も認知する」という趣旨の文言と共に、両国の原子力協力の拡大の意志が記されたという。

 しかし先月29日に李在明大統領が原潜の建造に必要な燃料の供給を米国に要請したことで、協定の改正または別の協定の締結の必要性が生じた。ウラン濃縮と使用済み核燃料の再処理は軍事に転用される可能性がある敏感な技術であるため、米国はこの事案に対して慎重な立場を維持してきた。ひとまず政府は、今週中のファクトシート発表に向けて最大限努力するとの立場だ。

ソ・ヨンジ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1227646.html韓国語原文入力:2025-11-06 05:00
訳D.K

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