韓国のチン・ヨンスン合同参謀議長は、12・3内乱克服に向けた人員刷新の一環として、合同参謀本部(合参)所属の将官の全員交代を指示した。これにより、まもなく行われる軍の中将級人事で4人の合参本部長(情報、作戦、戦略企画、軍事支援の各本部長)が全員交代する見通しだ。政府は9月初めにおこなわれた李在明(イ・ジェミョン)大統領就任後初の大将(4星将官)級人事でも、12・3内乱時に軍の指揮部を構成していた7人の大将を全員交代させている。
軍の関係者は「チン・ヨンスン合参議長は先週、合参所属の将官全員と、2年以上勤務した中佐と大佐を全員交代させるよう指示を下した」とし、「チン議長は任期序盤に、12・3内乱克服の観点から刷新への強い意欲を示した」と明かした。交代させられる合参勤務者は国防部や陸海空軍に移り、合参の外で勤務していた人々が合参入りすることになる。
合参は昨年の12・3内乱で、国会と中央選挙管理委員会への軍兵力の投入をまったく統制できなかったことから、職務放棄との指摘を受けている。今年9月30日に就任したチン議長(空軍大将)は、先月14日の国会国防委員会による合参に対する国政監査で、12・3内乱に軍が投入されたことについて「軍服を着た軍人であるにもかかわらず、国と国民を守る義務をないがしろにした」と反省の弁を述べており、合参議長候補時代の9月24日には、「非常戒厳への軍の投入を国民に謝罪する」と述べている。
合参所属の将官は40人前後で、大佐は100人前後、中佐以下は600人前後。進級人事が終わった中佐は今月末、大佐と将官は早ければ来月または来年1月に交代するとみられる。2年以上勤務した中佐と大佐は、大佐・中佐勤務者全体の半数ほど。合参の勤務周期は2年であるため、もともと交代対象だった。
チン議長は合参所属の将官全員の交代を指示したものの、合参議長は彼らに対する人事権を持っていないため、実際の入れ替えの幅が判明するのは准将と少将の人事の実施後となる。将官人事は各軍の参謀総長と国防長官が協議して案をまとめ、大統領が裁可する。国軍組織法上、合参は軍令に関して国防長官を補助するとともに、戦闘を主な任務とする各軍の作戦部隊の作戦を指揮・監督する。軍の行政権を構成する軍の人事業務は、陸海空軍の総長が担う。
合参議長の「将官全員交代指示」について合参は6日夜、「人事刷新のための方策を立案しているが、現在は決まった事案ではない」との立場を公式に表明している。