韓国最高裁は30日、チ・グィヨン部長判事の接待疑惑について「職務との関連性は認めがたい」と述べたが、チ部長判事が敏感な時期に携帯電話の端末を繰り返し変更していたことが明らかになった。与党「共に民主党」からは「チ部長判事を数年間で20回あまりルームサロンで接待した」という最初の情報提供者の主張が公開された。民主党側の主張と最高裁の調査結果が鋭く対立しているうえ、チ部長判事が3カ月間に2回も携帯電話を変更していたことまで明らかになったことで、強制捜査による真相の究明の必要性がよりいっそう高まっている。
民主党のファン・ジョンア議員が通信事業者から提供を受けた機器変更内訳によると、チ部長判事は尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領が拘束取り消しを請求した2月4日午後3時23分に、6年間使用していた「ギャラクシーS10」から最新型モデルである「ギャラクシーS25ウルトラ」に変更している。6分後にはそれまでの「ギャラクシーS10」に再び変更し、翌日午前5時に「ギャラクシーS25ウルトラ」に完全に乗り換えている。SIMカードを他の端末に挿入する方式によるものと推定される。民主党から接待疑惑が提起された2日後の5月16日午後4時2分には、3カ月あまり使用していた新型の「ギャラクシーS25ウルトラ」から「シャオミ レドミノート14」に乗り換え、5分後に再び「ギャラクシーS25ウルトラ」に変更している。2日後の5月18日午前5時19分には最終的に「シャオミレドミノート14」に変更している。敏感な時期に相次いで携帯電話端末を乗り換えていたのだ。
チ部長判事の接待疑惑の最初の情報提供者と接触したという民主党のチョン・ウィチャン院内代表政務室長は30日、国会疎通館で記者会見を行い、「情報提供者は、年に1度ではなく、この数年の間に自らが20回あまりルームサロンで接待し、裁判官(チ・グィヨン)は支払いをしておらず、情報提供者が支払いをしたと語った」と述べた。
最高裁倫理監査官室は先に、2023年8月9日にチ部長判事が会った2人の弁護士は「コロナ禍の前は1年に1度ほど会っていた」として、「費用を支払って後輩である同席者たちと1次会で食事と共に酒を飲む間柄」と述べている。このような状況を考慮して最高裁倫理監査官室は、「現在までに確認されている事実関係だけでは、職務との関連性は認めがたい」としているが、最初の情報提供者に接触した民主党の党役員は、最高裁のこのような結論に真っ向から反論したかたちだ。チョン室長は、9月に参考人として二度にわたり高位公職者犯罪捜査処(公捜処)の事情聴取を受けたとして、「公捜処は迅速かつ強力な捜査で真実を明らかにしてほしい」と述べた。