本文に移動

ソウル西部地裁暴動の擁護者ら「血のにおいを掲げ、より多くの自由団体が登場すべき」

登録:2025-09-01 07:13 修正:2025-09-01 08:50
「西部自由弁協」創立大会
「自由と革新」のファン・ギョアン代表が8月28日、ソウル中区の貞洞1928アートセンターで開催された西部自由弁護士協会の創立総会で発言している=ユーチューブより//ハンギョレ新聞社

 韓国の西部地裁暴動への加担者の弁護にあたる弁護士たちから、正式な団体創設の場で暴動を「革命」と称え、暴力の不可避性を強弁する発言が相次いだ。過激主義が主流政治圏の一部まで蚕食しているため、外郭団体の動きもいっそう過激になる恐れがある。

 西部自由弁護士協会(西部自由弁協)は8月28日、ソウル中区(チュング)の貞洞(チョンドン)1928アートセンターで創立総会を開催した。西部地裁暴動の被告人の無料弁護を標ぼうしている弁護士たちが集う西部自由弁協は、一審の過程で犯行を「国民の抵抗権」だと主張しつつ無理な弁論を繰り返し、物議を醸した。西部地裁事件で起訴された128人の被告に対する一審判決が順次言い渡される中、31日までに無罪が宣告された被告はいない。警察は、当日の加担者にとどまらず、暴動行為を助長した背後の捜査を本格化させている。

 この日の創立総会を映したユーチューブ動画などを見ると、創立総会には尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領を支持してきた主要なユーチューバーや人物らが大勢参加し、過激な発言を繰り返した。「コ・ソングクTV」のコ・ソングク代表は「『西部』という単語から血のにおいを感じない者たちは左派」だとして、「この血のにおいを掲げてもっと多くの自由団体が雨後の筍のように登場することを願う」と述べた。チョン・ヨオク元議員は「保守の品格だとか自尊心だとか、こういうことを口にしたため、私たちは2人の大統領を監獄に送り、弾劾された」とし、「大韓民国では法より拳が先立つ必要もある。それを国民抵抗権という」と述べた。西部地裁事件の加担者を支援してきたキム・ヨンヒョン前国防部長官も獄中からの書簡で、「愛国青年たちのために変わらぬ声援と献身をお願いする」と述べた。

ソウル西部地裁暴動の被告たちが28日、ソウル中区の貞洞1928アートセンターで開催された西部自由弁護士協会の創立総会で発言している=ユーチューブより//ハンギョレ新聞社

 西部地裁暴動は「抵抗」だとの主張も相次いだ。「自由と革新」のファン・ギョアン代表(元首相)は、「法に一部違反したからといって、国のために献身した青年たちを刑事処罰するのは過酷だ」と主張した。ミン・ギョンウク元議員(未来統合党)は、「西部地裁事件は不正選挙(に立ち向かう)最前線だ」と述べた。西部自由弁協の共同会長に就任したイ・ハサン弁護士は、暴動加担者たちを「革命家」と紹介しつつ、「敵は革命の炎が燎原(りょうげん)の炎のように広がっていくことを恐れている」と述べた。

 専門家は、弾劾決定を否定する声が野党「国民の力」の主流を占めるなど、政界までもが過激化する中で、過激な行動をあおる社会的な動きもいっそう激しくなる恐れがあるとの懸念を示す。西江大学社会学科のチョン・サンジン教授は「暴力的な発言は特定の政党と一体化した強硬支持者の自己表現心理」だとして、「守勢に追い込まれている中で、より荒っぽくとがった声をあげるというかたちで結集を試みているため、政治・社会的議論が必要だ」と語った。ソウル大学政治外交学科のパク・ウォンホ教授は、「過去には注目されえなかった少数の極端な意見が、メディアの発達で多数に影響を与える恐れがある」として、「暴力の政治的利用を追放する共同体全体の努力が必要だ」と述べた。

チャン・ジョンウ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1216147.html韓国語原文入力:2025-08-31 17:30
訳D.K

関連記事