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望楼 出火後も警察指揮部は“検挙急務”

原文入力:2009-01-29午後01:53:02
続々あらわれる過剰鎮圧情況
警察, 消火より望楼解体だけに熱中
当初、篭城者など正確な人員把握もできず

ソン・ギョンファ記者

←ソウル,龍山撤去民惨事犠牲者らの合同焼香所が用意されている龍山スンチョンヒャン病院入り口に28日午後、犠牲者らの遺影と履歴をの入った横断幕がかかっている。 チョン・ヨンイル記者yongil@hani.co.kr

 

惨事が起きた20日明け方、警察と篭城者などが対立した篭城望楼周辺は鎮圧作戦初期から大小の火が上がっては消えることを繰り返した。警察指揮部と現場がやりとりした無線記録によれば、鎮圧現場では大火災が起きる30分前から指揮部に火災の危険性を報告していた。朝6時58分頃現場では指揮部に「望楼側からずっと煙が出ている。火災危険のために散水しなければならないようだ」という報告をした。実際火が望楼全体を覆う15分前の朝7時10分頃からは望楼の中では結構大きい火災が起こった。望楼内外の小火ではなく望楼周辺に広がり始めた煙だけでも十分に火災の可能性を推察できたことが当時の目撃者たちの話だ。実際警察特攻隊を乗せたコンテナが2回目に望楼屋根に接近した時は、すでに望楼内側で屋根継ぎ目の部分から煙と火がもれているのを目でも十分に確認できる状態であった。

だが警察指揮部は一貫して望楼解体と篭城者検挙関連の指示を与えることにだけ集中した。当時指揮部は「2回目コンテナが屋上に到着したので望楼を解体するのが急務だ」(6時55分)と指示した後「検挙した○○は降りてくればすぐに護送することができるようにして」(6時58分),「護送する時、他の撤去民らの妨害を受けないようによく確保しろ」(6時59分)として篭城者検挙と望楼解体を指示した。引き続き「5階望楼に採証をしなければならない」(7時14分),「警力を十分にして望楼解体作業をはやくしなさい」(7時15分)として迅速な作戦遂行を督促した。火が望楼全体を覆う3分余前にも「望楼だけ残った。望楼さえ除去すれば篭城者が検挙されるはずだ、仕上げ段階だ。篭城者たちを検挙してミランダ原則告知して…」という指示を与えた。望楼篭城者たちと鎮圧警察の安全確保や、火災と投身などに備えて安全装備に対する言及は殆どなかった。その時、望楼内では篭城者と警察特攻隊数十人がもみ合って激烈な衝突が起きていた。

こういう状況で火勢が強まるや警察指揮部は望楼を解体しようと使った水大砲を集中して撃つこと以外に何の措置もしなかった。現場警察官たちは「(望楼) 2階まで(鎮圧)できたが3階までは鎮圧できなかった」(7時23分)と報告した後、まもなく「火がだいぶ強い」(7時24分),「水砲をはやく撃て」(7時25分)として急迫した状況を伝えた。火が望楼全体に巻きついた後には「油なので水では消化にならない。消防が支援しなければならない」(7時26分)という差し迫った無電要請が入ってきた。だが乳化剤を使った消化作業は7時40分になって初めてなされた。当初警察が望楼篭城者などの正確な人員把握さえできなかった情況も現れている。警察指揮部は火が望楼を完全に覆った後に「火災が起きている望楼内に篭城者たちはいないか」を現場に尋ねた。現場で「当初30人だと上部報告されたのは周辺住民たちの陳述を総合したもので正確な人員ではなかった」と明らかにした後であった。その間、火は篭城者5人と警察官1人の生命を奪い去った。ソン・ギョンファ記者freehwa@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/335736.html

原文: 訳J.S