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ハン前首相、腕を抑えられ特検行き…「大統領を夢見たなんてあきれ返る」

登録:2025-07-03 23:57 修正:2025-07-04 00:30
首相・大統領候補から被疑者に転落 
「戒厳事後文書になぜ署名したのか」との質問には無言
JTBCの放送画面よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 内乱特別検察官(特検)の調査が本格化する中、大統領選候補から内乱幇助(ほうじょ)の疑いの被疑者に転落したハン・ドクス前首相の一変した境遇に、政界内外では「複雑な思いだ」という反応が出てきた。

 野党「国民の力」のキム・ジェソプ議員は3日、SBSラジオ「キム・テヒョンの政治ショー」のインタビューで、「(捜査官に)腕を抑えられている姿が、一時は大韓民国の首相であり大統領候補だった人が、わずか1、2カ月の間にあのように(特検に)呼ばれ、捜査され取り調べを受ける姿を見ると、複雑な思いが交差する」と述べた。ハン前首相が前日午前、特検捜査官に左腕を組まれ、ソウル高等検察庁庁舎に設けられた内乱特検チームの取調べに出頭したことに対する反応だ。

 ハン前首相は、政権が交代し、内乱特検の捜査が本格化したことで、崖っぷちに立たされている。ハン首相はこれまで12・3非常戒厳宣言に反対したと強弁してきたが、非常戒厳解除後、大統領室付属室長が作った事後非常戒厳宣布文に署名した事実が明らかになり、違憲・違法的な非常戒厳宣布に手続き的な正当性を与えようとしたのではないかと疑われている。ハン前首相はこの文書に署名してから、数日後に「事後文書を作ったということが知られれば、また別の論争を呼ぶ恐れがあるから、なかったことにしよう」と要請し、結局文書は廃棄されたという。

ハン・ドクス前首相が2日、ソウル瑞草区のソウル高等検察庁で内乱特検の取り調べを受けた後、庁舎を後にしている/聯合ニュース

 「国民の力」のキム・ジョンヒョク前最高委員は前日、「韓国放送」(KBS)の時事番組「時事件件(事あるごとに)」に出演し、「ハン前首相はこれまで(事後署名の)話を全くしなかったが、今証拠が明らかになり、他の人が(そのような)証言したため、(特検に)呼ばれたのではないか」とし、「戒厳を正当化するために署名し、それ(宣布文)を証拠隠滅のために破棄したと攻撃されても仕方がない」と語った。

 国会推薦枠の憲法裁判官の任命拒否、大統領任命枠の憲法裁判官の電撃指名、大統領選出馬など、尹前大統領の弾劾と罷免の過程で韓前首相が見せた行動も再び話題になっている。与党「共に民主党」のユン・ゴニョン議員はこの日、YTNラジオの「ニュースファイト キム・ヨンスです」のインタビューで、「大統領だけではなく、一国の首相までもが重犯罪を犯したと思う。結果的にハン前首相が卑怯な証拠操作に加担したようだ」とし、「一方で苦々しいのは、そんな状況にもかかわらず大統領選に出馬したことだ。あきれ返る。どの面を下げて国民の前に立って支持を訴えたのだろうか」と皮肉を込めて語った。

 ハン前首相は出頭から14時間後の前日午後11時40分頃、固い表情でソウル高等検察庁庁舎を後にした。「戒厳事後文書になぜ署名したのか」、「どんな疎明をしたのか」などの記者団の質問には何も答えなかった。

シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1206017.html韓国語原文入力:2025-07-03 21:11
訳H.J

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