内乱首謀の容疑で裁判を受けている尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領がペットの犬を連れて漢江公園で散歩する姿が市民に目撃された。
5日、あるオンラインコミュニティには同日午前に撮影されたものと見られる尹前大統領の写真と目撃談が投稿された。投稿者は「(尹前大統領が)銅雀(トンジャク)大橋の下で、1匹のレトリバーとボディーガード3人を帯同してのんびりと散歩していた」とし、「自由に外に歩き回る姿を見ると、無性に腹が立つ」と書いた。
撮影された写真には、ペットのリードを握った尹前大統領が運動服姿で、銅雀大橋の下の漢江公園のベンチと推定されるところに座って休んでいる姿が写っていた。銅雀大橋の下の漢江公園は、尹前大統領の自宅である瑞草洞(ソチョドン)のマンション「アクロビスタ」から車で約10分の距離にある。一緒にいたペットは尹前大統領が2022年に飼い始めた「引退した案内犬」のセロミ(ラブラドール・レトリバー)とみられる。
これに先立ち、尹前大統領は京畿道城南市板橋(ソンナムシ・パンギョ)のある麦ごはん専門の定食屋で食事をする姿が報道機関のカメラに撮えられ、注目を集めた。「オーマイニュース」は尹前大統領が先月23日午後1時30分頃、一行3人と共にこの定食屋を訪ねて食事をしたと先月28日付で報道した。尹前大統領が憲法裁判所の全会一致の罷免決定によりソウル漢南洞(ハンナムドン)の大統領官邸を離れて自宅に戻った後、自宅以外の地域で目撃されたのはこの時が初めてだった。
ネットユーザーたちの間では否定的な反応が続いた。あるネットユーザーは「内乱犯が刑務所に行かず散歩をしているなんて、大韓民国はすごい国」だと皮肉り、また別のネットユーザーは「内乱首魁なのに、悠々自適だね」と書いた。尹前大統領の拘束に対してこれまで「日」で計算してきた拘束期間を「時間」で計算する新しい計算法を適用し、3月に拘束取り消しを決めた裁判所を批判する反応もあった。裁判所の拘束取り消し決定に検察が即時抗告をあきらめたことで、尹前大統領は在宅起訴の状態で裁判を受けている。
尹前大統領がわざと自分の姿を人目にさらしているという指摘もある。6月3日の大統領選挙を控え、強硬保守支持層に健在であることをアピールするためということだ。実際に尹前大統領は子どもの日の連休で人混みが予想されるにもかかわらず、マスクなどをつけていなかった。あるネットユーザーは「銅雀大橋は自宅からすぐ前でもなく、わざと散歩に出かけたとしか思えない」とし、また別のネットユーザーも投稿で、「しきりに顔を見せることには意図がある」と書いた。