易占術師の「コンジン法師」ことチョン・ソンベ氏(64)が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領夫人のキム・ゴンヒ女史へのプレゼントの名目で、旧統一教会幹部からダイヤモンドのネックレスを受け取った経緯を韓国検察が捜査していることがわかった。
ソウル南部地検仮想資産犯罪合同捜査団(パク・ゴヌク団長)は20日、チョン氏を被疑者の身分で呼び出して取り調べた。検察は、チョン氏の携帯電話、いわゆる「法師フォン」のデジタル・フォレンジックの過程で、旧統一教会(世界平和統一家庭連合)の元幹部のY氏から「キム女史へのプレゼント」として高価なネックレスを受け取った経緯を追及したことがわかった。チョン氏は取調べで「ネックレスは紛失した」と主張したという。旧統一教会の世界本部長を務めたY氏は以前、旧統一教会内部のイベントで、尹前大統領と2022年3月22日に会って1時間の単独面談を行ったと主張したことがある。
検察は、チョン氏が2022年の大統領選の際、現与党「国民の力」の大統領選選挙対策本部の組織である「ネットワーク本部」での顧問活動と前後し、公認と人事を依頼された情況を調査している。検察は昨年12月17日、チョン氏のソウル江南区駅三洞(カンナムグ・ヨクサムドン)にある法堂と、瑞草区良才洞(ソチョグ・ヤンジェドン)の自宅などの家宅捜索を行い、現金1億6500万ウォン(約1700万円)などを押収した。依頼を受けた疑惑を持たれている国民の力のユン・ハンホン議員は18日、SNSで「チョン氏の公認や人事の依頼を聞き入れる立場にはなかった」と主張した。
チョン氏は、第7回全国同時地方選挙を控えた2018年1月、自由韓国党(現与党「国民の力」の前身)の慶尚北道永川市(ヨンチョンシ)市長予備候補から、公認を得られるようにするとして違法な政治資金1億ウォンを受け取った容疑で起訴された。チョン氏側は「2018年当時は政治活動を行う人ではなかった」として容疑を否定している。