与党「国民の力」は30日、共に民主党のイ・ジェミョン代表と所属議員たちを「内乱陰謀・内乱扇動罪」で告発すると表明した。マ・ウンヒョク憲法裁判官候補の任命を回避するハン・ドクス大統領権限代行首相などの「連続弾劾推進」を公言した、というのが告発の理由だ。大統領権限代行に憲法を守るよう求めるとの観点から「法の枠内で動員可能な手段」を用いるとする野党の「政治的宣言」に「内乱」のレッテルを貼るという政治攻勢だ。
国民の力の44人の当選1回議員はこの日、国会で記者会見を行い、「民主党が連鎖弾劾によって大韓民国を崩壊させると公に宣言した今、ハン・ドクス権限代行は行政府の機能が停止する前に『内乱政党』民主党の解散を深刻に考慮すべきだ」と主張した。クォン・ソンドン院内代表が前日に、ハン権限代行にマ・ウンヒョク候補の任命を求めつつ「連続弾劾」を予告した民主党の当選1回議員を「内乱陰謀・内乱扇動罪で告発する」と表明しているが、この主張はその延長線上にある。パク・ミニョン報道担当も論評で、「行政府の転覆を目的として相次ぐ弾劾を予告したことだけでも内乱陰謀・扇動に当たり、実際の実行に至れば内乱罪に当たる」と加勢した。
民主党は「内乱擁護政党が盗人猛々しい」と反撃した。カン・ユジョン院内報道担当はブリーフィングで、「クォン院内代表は戒厳軍が国会を蹂躙(じゅうりん)するさなかも、戒厳解除のために国会に来るのではなく国民の力の党本部にとどまり、事実上内乱に同調したという原罪がある。内乱首謀者の尹錫悦(ユン・ソクヨル)の罷免を妨害する国民の力が内乱政党であることを知らない国民はもういない」と述べた。
12・3内乱を擁護し、ソウル西部地裁暴動を擁護して憲法裁判所に圧力をかけてきた国民の力が「内乱陰謀・扇動」などに言及すること自体がナンセンスだ、とも指摘されている。仁川大学政治外交学科のイ・ジュンハン教授は「民主党が弾劾を続けていることに言及することで尹錫悦大統領の12・3戒厳は正当だったと言いたいのだとみられるが、どの国民がそのような主張に同意するだろうか」と述べた。