25日、内乱罪被告の尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領弾劾審判の最終弁論が始まった中で、尹大統領が2時間以上姿を現わさず、国会側の弁論を聞かないための意図された遅刻出席ではないかと指摘されている。
同日午後2時から憲法裁判所の大審判定で行われた尹大統領弾劾審判第11回弁論は、午後4時30分の時点まで尹大統領の陪席なしで行われた。以前の弁論期日では裁判開始時刻に合わせて定時に出席したのとは異なる姿だ。
尹大統領の遅刻出席は、国会側の弁論を多分に意識した行動とみられる。憲法研究官出身のノ・ヒボム弁護士はこの日、「文化放送」(MBC)の「ニュース外伝」に出演し、「ずっと映像に映し出され、国会代理人団の話を聞くことが、大統領にとっては非常に苦痛だったかもしれない。国会側で弁論する過程からは抜け出したいという思いもあったのではないかと思う」と分析した。さらに「大統領の立場からすると、本人の話だけをしたい、本人の時間だけが欲しいという思いもあったのではないだろうか。それで出席が遅れたようだ」と指摘した。
同日の弁論は証拠調査と総合弁論、当事者の最終意見陳述の順で進められたが、尹大統領は自身に発言権が与えられる最終陳述の時だけ法廷に出席した。
尹大統領の恣意的な憲法裁出席は、数回繰り返されてきた。20日の第10回弁論の際に、ハン・ドクス国務首相の証人尋問の時にしばらく席を外したことが代表的な事例だ。13日の第8回目の弁論にも、尹大統領はチョ・ソンヒョン首都防衛司令部第1警備団長の証言開始直前に審判廷を後にした。18日の第9回弁論には出席するために憲法裁まで来たものの、弁論の開始直前にソウル拘置所に復帰した。
このようなことから、国会代理人団であるイ・グムギュ弁護士は同日、総合弁論で「被請求人は気にも留めないのか裁判所まで来たのに審判廷に入ってこなかったり、裁判が始まる前に帰ったりする姿を見て、この国の公務員たちの苦労は眼中にもなく、国民の視線など気にしない姿も(我々は)目の当たりにせざるを得なかった」と指摘した。尹大統領の憲法裁出席の態度からも、憲法守護の意志がないという点を浮き彫りにしたのだ。
ノ弁護士も「法廷の礼儀というか、弾劾審判の厳重さに照らしてみて、大統領が最初に出席したように、最終弁論でも忠実に出席して国会側の立場も聞いてみて、本人の主張もすることが礼儀に合うのではないかと思われる」と指摘した。