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【独自】大統領警護処次長「大統領の指示に従って通話記録を削除しろ」証拠隠滅の試み

登録:2025-01-21 06:07 修正:2025-01-23 08:30
キム次長、「秘話フォン」のサーバー管理者に 
「国軍防諜司令官、首都防衛司令官、陸軍特殊戦司令官の通話記録を削除しろ」
キム・ソンフン大統領警護処次長が17日、警察国家捜査本部非常戒厳特別捜査団に取り調べを受けるため出頭している=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の非常戒厳に対する捜査が本格化したことを受け、キム・ソンフン大統領警護処次長が大統領室の盗聴防止機能つき電話(秘話フォン)のサーバー管理者に連絡し、「大統領の指示」だとして「ヨ・インヒョン防諜司令官などとの通話記録を削除しろ」と指示したという供述を警察が確保した。非常戒厳後に証拠隠滅を試みた情況が明確であるにもかかわらず、検察は「証拠隠滅および逃走の恐れがない」として、警察が申請したキム次長の拘束令状を差し戻した。

 20日にハンギョレが警護処と警察などを取材したところによると、警察国家捜査本部特別捜査団(特捜団)は大統領室関係者などを取り調べる過程で、非常戒厳から数日後の昨年12月中旬ごろ、キム次長が大統領室の盗聴防止機能つき電話のサーバー管理者に連絡し、「国軍防諜司令官、首都防衛司令官、陸軍特殊戦司令官などの通話記録を削除しろ」と指示したという供述を確保した。 当時、サーバー管理者は「誰の指示か」と聞き、キム次長は「大統領の指示」だと答えたという。ただし、サーバー管理者はキム次長の指示が違法だと考え通話記録を削除しなかったという。

 特捜団はキム次長がこのように証拠隠滅を試みた情況を確認し、18日にソウル西部地検に特殊公務執行妨害などの疑いで拘束令状を申請した。ところが、検察はキム次長に対する拘束令状を差し戻した。検察は3日、尹大統領の1回目の逮捕を試みた際、警察が採証した動画に特殊公務執行妨害の証拠が残っており、キム次長が17日に自ら出頭した点を挙げ、証拠隠滅と逃走の恐れがないと判断を下したという。

 キム次長は拘束令状が差し戻された19日に釈放され、直ちに尹大統領のいるソウル拘置所に移動し、警護業務に復帰した。キム次長は現在、パク・チョンジュン前警護処長の辞任により警護処長職務代理を務めている。大統領官邸と執務室などは捜査機関によって押収捜索が行われたことがなく、さらなる証拠隠滅の可能性があるが、すでに証拠隠滅を試みた情況があるキム次長が再び大統領警護処のトップに復帰したということだ。

 ソウル西部地検関係者は、キム次長の拘束令状を棄却した理由を尋ねるハンギョレの質問に、「法と手続きにより棄却したもの」と回答した。

イ・ジヘ、キム・ガユン、チョン・ファンボン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1178806.html韓国語原文入力:2025-01-2020:16
訳H.J

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