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「尹錫悦大統領がナイフでも持って阻止しろと…」警護処首脳部、血眼で情報提供者探し

登録:2025-01-14 06:16 修正:2025-01-14 08:52
尹錫悦大統領に対する2回目の逮捕状の執行が差し迫った13日午後、ソウル龍山区漢南洞の大統領官邸区域で、ある警護要員がK1小銃を手に持って歩いている=ザ・ファクト提供//ハンギョレ新聞社

 内乱首謀者の容疑が持たれている尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が、差し迫った2回目の逮捕状の執行を阻止するため、警護官の武力使用も排除しないことを警護処に繰り返し指示するなど、警護処の「私兵化」がますます深刻化している。警護処幹部らの抗議とマスコミへの情報提供が相次いだことを受け、キム・ソンフン警護処長職務代理ら首脳部は、人事措置などで彼らの反発を抑えるのに必死の様子だ。

 野党「共に民主党」のユン・ゴニョン議員は13日、記者会見を開き「尹錫悦氏が12日、警護処幹部6人と昼食を共にしながら『私を逮捕するため接近する警察たちに、銃は無理でも、ナイフでも持って何が何でも阻止しろ』という指示をしたという情報提供を受けた。この日の昼食会にはキム・ソンフン次長、イ・グァンウ警護本部長、キム・シン家族部長をはじめ、6人の警護処幹部が出席したという」と述べた。これに先立ち、ハンギョレは12日、尹大統領が11日に警護処幹部らを呼んで昼食会を開き、2回目の逮捕を試みる際、武力使用を検討するよう指示したという独自報道をしたが、尹大統領の違法な指示がその翌日にも続いたという話だ。ユン議員は「警護法上、現状況で警護官が銃器やナイフなどの武器を使用することは明白な違法」だと指摘した。キム次長に対しても「大統領のこのような異常な指示にどのような返事をしたのか、明らかにしなければならない」と語った。この日、官邸区域では警護要員たちがK1小銃など個人火器を持って警戒活動に当たる姿がカメラに捉えられた。

 このような事実が知らされると、キム次長をはじめとする警護処首脳部はむしろ情報提供者探しに乗り出すなど、内部取り締まりに総力をあげている。捜査機関の令状執行を控えて「大統領の擁護」のための現場の戦列が崩れることを恐れ、心理戦に出たものとみられる。警護処はこの日、ある3級部長に待機令を下した事実について「この幹部は最近、警察国家捜査本部(国捜本)の関係者(2人)と会い、軍事主要施設の位置など内部情報を伝えた事実が確認され、その他多くの外部ルートを通じて機密事項を流出した疑いが持たれている」とし、「法的措置を通じて必ず責任を問う」と述べた。さらに、「大統領警護処の主要幹部会議で、出席者の自由な意見表明など意思疎通の過程で出た発言に対するいかなる不利益でもなく、人事措置でもない」と補足した。この幹部の待機発令措置について「キム次長の辞任を要求したため」という報道が出たことを受け、これに反論したのだ。

 ハンギョレの取材によると、高位公職者犯罪捜査処が尹大統領の逮捕を試みる過程で、捜査機関と警護処の物理的衝突が懸念されたことを受け、同3級幹部が調整のために国捜本と接触した。その後、12日に開かれた部長(3級)・課長(4級)団会議で、キム次長ら首脳部は「内部のフラクチ(スパイ)がいるようだ」と犯人捜しに乗り出した。同幹部は首脳部に「私が(情報提供を)した。このまま警察と衝突するのが正しいのか」という趣旨の発言をしたという。それと共にキム次長には辞任を要求し、部署員には公務執行妨害で処罰されることを防ぐために全員が休暇を使うことを指示したという。この会議では「現在の隊列を維持してほしい」というキム次長の指示に、多くの幹部が「職員たちを守る案は用意されているのか」と詰め寄ったという。

 首脳部が内部取り締まりを強化したことで、集団反発の雰囲気だった前日の状況はひとまず鎮静したようだ。民主党関係者は「警護処内部では、キム次長の逮捕状発付が急務だとみている。キム次長が指揮を執る限り、尹大統領の逮捕過程で衝突の可能性は排除できない」と伝えた。

オム・ジウォン、イ・スンジュン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1177712.html韓国語原文入力:2025-01-14 01:11
訳H.J

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