光復節を翌日に控えた14日午前10時頃、大邱市東区新岩洞(テグシ・ドング・シンアムドン)のKTX東大邱駅広場の芝生には、朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の顔写真と「朴正煕広場」という文字を浮き彫りにした高さ5メートル、幅0.8メートルの看板が見えた。 文字は朴元大統領の直筆書体をかたどったものだという。
看板を見ていたHさん(74)は「国を復興させ、国民が食べていけるようにしてくださった。立派な業績がある方にはこのように礼遇しなければならない」とうなずいた。Kさん(49)は「市民の安全と便宜の改善などに予算を使うべきなのに、(朴元大統領の看板の設置は)税金の無駄遣いだと思う」と語った。
さらに午前11時、ここで4・9人革烈士継承事業会などで構成された「朴正煕偶像化事業に反対する汎市民運動本部」など市民団体と地域政界が、朴正煕広場の看板の即時撤去を求める記者会見を行った。「朴正煕の偶像化、大邱を滅ぼす」などのプラカードを掲げた団体のメンバーたちは「日帝の関東軍将校として抗日独立軍を討伐した朴正煕広場の看板の除幕式を開くのは、ホン・ジュンピョ大邱市長がどれほど反逆的かつ反人権的思考に陥っているかを如実に示している」とし、「極右勢力に忠誠を示してもう一度大統領候補の座を狙う戦略ではないか」と批判した。また「地名委員会の審議、国土交通部の地名告示など法律と条例手続きを無視して独断で進めている」と指摘した。
午前11時30分頃、東大邱駅広場の芝生で朴正煕広場の看板の除幕式が開かれた。ホン市長をはじめ、イ・マンギュ大邱市議会議長、カン・ウンヒ大邱市教育監、与党「国民の力」のカン・デシク議員(大邱東区・軍威郡乙)などが出席した。ホン市長は「朴正煕大統領の産業化精神が今の大邱と大韓民国を作った原動力と言える。これに光を当てるためであり、記念すべき部分は記念しなければならないという考えには変わりない」と述べた。
大邱市は今年12月、ここに朴元大統領の銅像を建てる予定だ。来年には大邱図書館公園に「朴正煕公園」を造ると共に、公園内の銅像の設置を完了する予定だ。
東大邱駅広場の朴正煕広場の命名と銅像設置などを内容とする朴正煕記念事業は、ホン・ジュンピョ大邱市長が3月1日のフェイスブックで「朴元大統領の銅像の建立と関連した市民意見を聴収する」という投稿をしたことで始まった。
大邱市は同月11日、東大邱駅広場を「朴正煕広場」に、大邱図書館公園を「朴正煕公園」に名前を変更し、2カ所に銅像を設置するという内容の条例案を立法予告した。当時、反対意見886件が受け付けられたが、大邱市はこれを全て「未反映」とすることにした。
大邱市議会は5月2日に308回臨時会本会議を開き、当事業の条例案を可決した。全体議員32人のうち賛成31人、反対1人だった。