尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領の義母のチェ・ウンスン氏(77)が、京畿道城南市道村洞(ソンナムシ・トチョンドン)の土地と関連し、京畿道城南市中院(チュンウォン)区庁が課した27億ウォン(約3億円)台の課徴金処分が不当だとして起こした行政訴訟控訴審で敗訴した。
水原高裁行政1部は14日、チェ氏が中院区庁長を相手取って起こした課徴金賦課処分取り消し訴訟の控訴審で、原告の控訴を棄却し、原告敗訴判決を言い渡した一審を維持した。これに先立ち、城南市中院区はチェ氏が2013年に道村洞の土地55万3231平方メートルを購入した後、所有権登記を「韓国エバーグリーン・ロジスティクス」という法人と同業者のA氏の婿であるK氏の共同名義にして借名投資をしたとみた。中院区はこれを根拠に2020年6月、チェ氏と同業者のA氏が不動産実権者名義登記に関する法律(不動産実名法)に違反したとし、それぞれ課徴金27億3200万ウォンを課した。これに対し、チェ氏側は「不動産の実所有者は他の人であり、彼らに名義を信託してはいない」として、違法な処分だと訴訟を起こした。
一審は「法人が所有している道村洞の土地の場合、チェ氏の意思により処分され売り渡された点などから、法人の持分を処分する権限がチェ氏にあると判断される」とした。当時、一審はチェ氏が借名投資をした理由についても融資制限を避けるためだと判断した。
ただし、水原高裁行政1部はこの日、チェ氏が中院区庁長を相手に出した取得税などの処分取り消し訴訟の控訴審宣告では、原告勝訴とした一審を維持した。中院区はこの土地に対して課徴金を課し、チェ氏が地方税脱税のために第3者間の名義信託をしたとして、1億ウォン(1100万円台)の取得税なども課した。しかし、一審はこの契約を第三者間の名義信託ではなく、契約名義信託に当たると判断した。名義信託者と売り手の間に売買契約の締結が行われる第三者名義信託とは異なり、契約名義信託は名義受託者が売買契約締結の当事者になり、名義信託者には納税の義務がない。この事件の場合、名義信託者はチェ氏であり、名義受託者は韓国エバーグリーン・ロジスティクスという法人とK氏だ。一審裁判所は「原告は不動産実名法に違反してこの事件の不動産持分を法人に名義信託した事実が認められる」とする一方、「処分の適法性を主張する被告に適法理由に関する証明責任があるが、被告はこの事件の名義信託が契約名義信託ではなく三者間の名義信託に該当すると判断できる資料を提出していない」と述べた。
チェ氏はこの土地を購入する過程で349億ウォン(約39億5千万円)が貯蓄銀行に預けられたように残高証明書を偽造した疑いなどで、昨年11月に最高裁で懲役1年が確定した。 チェ氏は仮釈放が許可され、先月14日に釈放された。