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尹大統領、「ディオールバッグ受け取り」をいつ知ったか…大統領夫人捜査の争点

登録:2024-05-13 06:05 修正:2024-05-14 09:10
ソウル中央地検、13日にチェ牧師を呼んで取り調べる予定
尹錫悦大統領夫人のキム・ゴンヒ女史が昨年9月13日、チェ・ジェヨン牧師から贈られたディオールバッグの入ったショッピングバッグを前にチェ牧師と話している=「ソウルの声」のユーチューブ動画よりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領夫人であるキム・ゴンヒ女史のブランドバッグ受け取り疑惑を捜査中の検察が、バッグを渡したチェ・ジェヨン牧師を13日に呼んで取り調べを行う。検察は、チェ牧師に対しキム女史にバッグを渡した経緯と、尹錫悦大統領がこれを知っていたといえる根拠などを尋ね、事実関係を確認するものとみられる。同事件の主な争点は、尹大統領がキム女史がバッグを受け取ったことを把握していたかどうかであるため、検察内部ではキム女史本人に対する取り調べが避けられないとみられている。ただし検察は、これまでキム女史の取り調べの時期や方法は決まっていないという立場だ。

 ソウル中央地検刑事1部(キム・スンホ部長)は13日午前、チェ牧師を被疑者として呼んで取り調べを行う計画だ。昨年11月、ユーチューブメディア「ソウルの声」は、チェ牧師が2022年9月にソウル瑞草区のコバナコンテンツ事務所を訪れ、キム女史に300万ウォン(約34万円)相当のクリスチャンディオールのバッグを渡す場面が収められた動画を公開した。「ソウルの声」のペク・ウンジョン代表らは昨年12月、尹錫悦大統領夫妻を請託禁止法違反と収賄の疑いで検察に告発した。これを受け、保守的なスタンスの市民団体がチェ牧師を告発し、チェ牧師は情報提供者であると同時に、被疑者でもある状態だ。

 尹大統領夫妻の請託禁止法違反容疑に関して最も重要な争点は、尹大統領がキム女史のブランドバッグ受け取りの事実を知っていたかどうかだ。請託禁止法は公職者が自身の配偶者が「金品を授受した事実を知った場合」速やかに書面で報告するよう義務付けており、この報告義務に違反した場合、処罰の対象にしている。ただし、請託禁止法には金品を受け取った公職者の配偶者を処罰する条項はなく、請託禁止法だけで処罰するならば、キム女史は処罰対象から除外され、バッグを渡したチェ牧師とソウルの声、そして公職者の大統領だけが処罰の対象になる。しかし、大統領は在職中、刑事上の訴追を受けない。

 収賄は公務員を処罰する法条項であるため、キム女史に適用するためには公務員である尹大統領と共犯にならなければならない。この場合にも、尹大統領が少なくともキム女史のブランドバッグ受け取りの事実を知っていたか、関与しなければならない。検察は尹大統領の(ブランドバッグ受け取り事実の)把握の有無を確認するために、バッグを渡した当時の状況が分かる動画の原本とチェ牧師がキム女史と交わしたカカオトークの対話内容などをソウルの声とチェ牧師側に提供してほしいと要請した。

 斡旋(あっせん)収賄の成立の可能性も残っている。特定犯罪加重処罰法上、斡旋収賄は「公務員の職務に属した事項の斡旋に関して」金品を受け取った人を処罰するよう定めており、公務員でないキム女史も処罰の対象になりうる。具体的な請託が交わされる必要はないが、金品をやり取りした人々がこれを斡旋の見返りとして認識しなければならない。特殊捜査の経験が豊富なある弁護士は「尹錫悦大統領がブランドバッグ受け取り事実を知っていたかどうかに関係なく、キム女史とチェ牧師間の対話に尹大統領に話を伝えるという内容が含まれているなら、斡旋収賄が成立する可能性がある」と説明した。ただし、ソウルの声が公開した映像にはそのような内容は含まれておらず、今後検察が捜査を通じて確認することになる見通しだ。

チョン・ヘミン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1140197.html韓国語原文入力: 2024-05-12 23:47
訳H.J

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