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尹大統領が拒否した梨泰院特別法、惨事から1年7カ月を経て実行へ

登録:2024-05-02 06:05 修正:2024-05-02 08:56
国民の力のイ・ヤンス院内首席副代表(左)と共に民主党のパク・チュミン院内首席副代表が1日、国会で梨泰院惨事特別法修正合意事項を発表している/聯合ニュース

 韓国の与党「国民の力」と野党第一党「共に民主党」が「10・29梨泰院(イテウォン)惨事被害者の権利保障と真相究明および再発防止のための特別法案」(梨泰院惨事特別法)を修正し、2日の国会本会議で議決することで合意した。梨泰院惨事特別法は1月、野党主導で国会で可決された後、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が拒否権(再議要求権)を行使したが、与野党が今回修正案に合意したことで、法の実行を目前にすることになった。2022年10月29日の惨事発生から1年7カ月を経た。

 国民の力のイ・ヤンス院内首席副代表と民主党のパク・チュミン院内首席副代表は1日、国会で記者会見を開き、このように発表した。

 梨泰院惨事特別法の骨子は特別調査委員会(特調委)を設置し、惨事を再調査することだ。与野党が合意した修正案によると、特調委は与野党の協議を経て国会議長が推薦した委員(1人)と与野党がそれぞれ4人ずつ推薦した委員の計9人で構成される。既存案は国会議長が遺族など関連団体と協議し、特調委員3人を推薦するなど計11人で構成するようにしたが、修正案では特調委を与野党間の協議だけで設けることになった。特調委の活動期間は「1年以内」とするものの、3カ月以内で一度延長できるようにした現行条項を維持した。

 特調委による職権調査の権限と家宅捜索令状を請求する依頼権は、国民の力の要求を受け入れて削除することにした。国民の力は、既存の法案のうち、梨泰院惨事に関して不送致または捜査中止となった事件を特調委が職権で調査できる権限(第28条)と、特調委の資料提出要求を2回以上拒否した時に家宅捜索令状の請求を依頼できるようにした条項(第30条)が「毒素条項」だとして、修正を要求してきた。

 パク・チュミン首席副代表は合意の背景について「過去の他の真相究明機関のケースでは、与党との合意で法案が作られて機関が設置されなければ、実質的な調査活動に困難を強いられた歴史的経験があった」とし、「遺族たちもこの部分に対して同意して下さったので受け入れた」と説明した。イ・ヤンス首席副代表は「龍山(ヨンサン、大統領室)とも十分に熟議して討議し、検討を経た」と述べた。

 大統領室のキム・スギョン報道官は「先月29日、尹錫悦大統領と共に民主党のイ・ジェミョン代表の会談を通じて与野党間の協力体制と政治の復元が始まったが、今回の合意はその具体的な初めての成果と評価する」とし、「歓迎する」と述べた。

 ただし、国民の力は2日の本会議で、民主党が「海兵隊C上等兵殉職事件への捜査外圧疑惑特検法」などの争点法案を案件として上程した場合、本会議の開催に同意できないという立場だ。与野党は2日、本会議直前まで案件をめぐる交渉を続ける計画だ。

ソン・ダムン、カン・ジェグ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1138937.html韓国語原文入力:2024-05-01 22:13
訳H.J

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