ソウル市は、出産した住宅非所有世帯に住居費を支給する全国初の制度を実施する。
ソウル市は28日、来年から所得や親の年齢とは関係なしに、出産した住宅非所有世帯に出生児1人当たり毎月30万ウォン(約3万4400円)を最大2年間支給すると発表した。子を1人出産した住宅非所有世帯は、最大で計720万ウォン(約82万7000円)を受け取ることになる。出生日から48カ月以内の子どもを養子に迎えた住宅非所有世帯も同じ恩恵を受ける。出生児や養子が複数いる場合は、その人数に比例して支給が受けられる。
ソウル市は「住居費負担の重さのせいで他の市や道に転出されるのを防ぎ、出生率を高めるための措置」だと述べた。昨年、ソウルから京畿道や仁川(インチョン)に転居した人は32万5317人で、そのうち61.3%(19万9527人)が家族や住居の問題を転居理由としていた。
住居費の支給対象は、2025年1月1日以降に出産した世帯。多文化家族でも親のどちらかが韓国人で、出生児が韓国国籍なら支給が受けられる。支給金額の月30万ウォンは、ソウルと首都圏のアパート(60平米以下)の月住居費の差額を補填しうる金額だ。ソウルに所在する伝貰(チョンセ:契約時に貸主に高額の保証金を預けることで、月々の家賃が発生しない不動産賃貸方式)保証金7億ウォン(約8040万円)以下、家賃268万ウォン(約30万8000円)以下の賃借住宅に居住していることが条件で、ソウル住宅都市公社(SH)、韓国土地住宅公社(LH)の公共賃貸住宅の入居者は対象外。その他にも、2年間は住宅非所有世帯でなければならず、住宅購入や他の市や道への転出などの除外理由が発生すれば、支給は中止される。ソウル市は、今回の政策が実施されれば、年間約1万世帯が住居費支援の恩恵を受けると予想している。