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「死の直前まで薬を飲ませイルカショー」…韓国の巨済シーワールドに処罰求める声

登録:2024-04-19 01:06 修正:2024-04-19 08:37
[アニマルピープル] 
2月に死んだ2頭のイルカ解剖、ショー日誌公開 
市民団体とユン・ミヒャン議員「水族館の許可を取り消すべき」 
2月に慶尚南道巨済の巨済シーワールドで死んだイルカが生前、病気にかかっているのにショーに出演させられていたことが確認された=ホットピンクルフィンズ提供//ハンギョレ新聞社

 慶尚南道巨済市(コジェシ)のイルカ水族館「巨済シーワールド」で今年2月、病気にかかっている複数のイルカがショーに出演させられていたことが確認された。1頭は最後のショーからわずか4日後に死亡していた。治療中のイルカをショーに出演させて死に至らしめた行為は動物虐待だとの批判を浴びている。

 海洋環境団体「ホットピンクドルフィンズ」と無所属のユン・ミヒャン議員は17日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会疎通館で記者会見を行い、巨済シーワールドを動物虐待で処罰するよう求めた。彼らは「運営者側は病気のイルカたちに十分な休息権や健康権を保障せず、病気で治療中のイルカまでショーに出演させ、死に至らしめた」とし、「イルカたちの死は巨済シーワールドの動物虐待による致死であることは明白だ」と述べた。巨済シーワールドでは2月に、「ジュライ」(18歳)と「ノバ」(18歳)の2頭のハンドウイルカが相次いで死んでいる。

 この日の記者会見では、ユン・ミヒャン議員室が海洋水産部と慶尚南道庁から提出を受けた解剖所見書、医務記録簿、イルカショーの投入日誌などが公開された。記録によると、ジュライの死の原因は細菌による敗血症、ノヴァは腸捻転によるショック死。2頭は死の前に下痢、おう吐、大腸疾患などの症状を示していたが、巨済シーワールドはこれらの治療をしながら2頭をショーに出演させ続けていた。

2月28日に死んだノバのショー投入日誌=慶尚南道庁提供//ハンギョレ新聞社

 2月28日に死んだノバは、2月初めからイルカショーの途中で抜けたり、大きな動作ができなくなるなど、問題行動が見られた。死の4日前の24日には、公演の終了後に水槽の底で休息を取る姿が観察されている。ノバはこうして最後のショーから4日後に死んだ。ノバはすでに昨年12月から下痢と泡が混じった便をするなど、腸を患っていたという。ノバの3日前に死んだジュライも今年1月から静脈炎に苦しんでおり、2月からはおう吐や下痢の症状が見られた。

 ホットピンクドルフィンズは、「ひどい病気にかかっていたイルカに十分な休息も提供せず、病気が悪化しうる環境に放置した」、「さらに治療中にもかかわらず無理にショーに動員した『虐待行為』によって病気が悪化し、死に至った」と批判した。運営側の対処は動物園および水族館の管理に関する法律(動物園水族館法)と野生生物の保護および管理に関する法律(野生生物法)に違反するというのが同団体の主張だ。動物園水族館法第15条と野生生物法第8条は、野生動物を保管したり流通させたりする際に、故意に餌や水を提供しなかったり、病気に対して適切な措置を取らずに放置したりすることを動物虐待と規定している。

2月に慶尚南道巨済の巨済シーワールドで死んだイルカが生前、病気にかかっているのにショーに出演させられていたことが確認された=ホットピンクルフィンズ提供//ハンギョレ新聞社

 彼らは、巨済シーワールドの劣悪な環境は昨年から指摘されていたにもかかわらず改善されていなかったことも、大きな問題だと指摘した。彼らは「昨年6月のハンドウイルカ『エイプリル』の死について海洋水産部、環境部、自治体およびクジラ専門機関が発表した点検報告書でも『イルカに休館日などの安定的な休息を保障する必要性』、『健康状態の悪化している個体の保護策の必要性』などが指摘されているが、またもイルカの死が発生した」と批判した。そして、巨済シーワールド水族館の許可取り消し▽営業の即時中止▽動物虐待の処罰などを要求した。

キム・ジスク記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/animalpeople/human_animal/1137186.html韓国語原文入力:2024-04-18 16:09
訳D.K

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