フランス・パリに旅行に出かけた20代の韓国系青年が、不審者から暴行を受け、重体に陥る事件が発生した。
14日、米国のクラウドファンディングサイト「ゴー・ファンド・ミー」と米国シアトルの地域メディア「KIRO 7」の11日(現地時間)の報道によると、アリゾナ州に住む21歳のジャスティン・ハンさんは2月23日、休暇で訪れたパリで見知らぬ人物から暴行を受け、現地病院の集中治療室で治療を受けている。無差別暴行はハンさんがパリに到着した初日の夜に起きた。
幼い頃からファッションとデザインに関心が多かったハンさんは、ファッションの本場と呼ばれるパリ旅行を夢見て、一生懸命お金を貯めてパリに向かった。ところが、旅に出かけたハンさんからは普段とは違って家族に連絡がなかったという。3日後、家族はハンさんではなくフランスの米国大使館から、ハンさんが昏睡状態に陥り、集中治療室に入院中だという知らせを受けた。
米国大使館の電話を受けた翌日、すぐパリに向かったハンさんの母親ヤンさんは、あざだらけで包帯を巻かれ、全身にチューブがつながれている息子に対面した。ヤンさんは「私が聞いた限りでは、息子は(暴行を受けて)倒れ、頭をぶつけた。その後も加害者は倒れた息子を攻撃し、殴り続けた」と伝えた。
フランス警察はハンさんが暴行を受けた場面が収められた映像証拠を確保し、フランス人の容疑者を逮捕した。容疑者がハンさんを攻撃した動機は明らかになっていないという。
事件発生後、約2週間が過ぎ、ハンさんは意識を取り戻した。食事も少しずつできるようになり、自分を介護する母親の顔が分かるようになったが、暴行の衝撃で事件当時の記憶は失われていた。ハンさんはフランスの病院で治療を受けているにもかかわらず、自分が米国にいると勘違いすることもあるという。
ハンさんの親戚の一人は母親のヤンさんに代わってゴー・ファンド・ミーで2日からハンさんの治療費を募金している。彼は「甥は減圧頭蓋骨切除術を含めて2回の神経蘇生手術を受け、数回輸血も受けなければならなかった」とし、「加害者は逮捕されたが、甥が回復するまでは道のりが遠い。集中治療室で3~4週間をさらに過ごし、数カ月間のリハビリ治療を受ける可能性が高い」と説明した。現在、目標額5万ドルのうち3万ドルが集まったという。