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対話ムードを盛り上げる北朝鮮‐日本、首脳会談に漕ぎつけられるか

登録:2024-02-17 06:48 修正:2024-02-17 07:10
キム・ヨジョン朝鮮労働党中央委副部長/朝鮮中央通信・聯合ニュースの資料写真

 朝鮮労働党のキム・ヨジョン中央委副部長が、日本の岸田文雄首相の朝日関係発言に「留意する」という談話を15日夜に出したことを受け、日本の林芳正官房長官も16日午前の記者会見で、キム副部長の談話に「留意している」と答えた。キム副部長は金正恩(キム・ジョンウン)労働党総書記兼国務委員長の妹であり、対外政策と関連した事実上の「報道官」の役割を果たしている。林長官は日本政府の報道官だ。両者のやり取りは、すなわち金正恩総書記と岸田首相の「間接対話」といえる。常にいがみ合ってきた両国が、第3回朝日首脳会談を念頭におき、熾烈な外交的駆け引きを繰り広げている。ひとまず、雰囲気は悪くない。

 まず、「(岸田)首相が平壌(ピョンヤン)を訪問する日が来るかもしれない」というキム副部長の15日夜の談話は、内容とともに発表時点が目を引いた。金正恩総書記が「第一の敵対国、不変の主敵」と非難した韓国が、北朝鮮の長年の「兄弟国」キューバと大使級の外交関係を64年ぶりに復元することで合意したと発表してから、24時間も経っていない時点だったからだ。韓国とキューバの国交正常化合意に注がれた国際社会の視線を分散させ、自分たちが打撃を受けていないという外交的存在感を示すための布石とみられる。

 しかし、「キム・ヨジョン談話」は予想外の突出した外交ではない。朝日が互いの胸の内を探ってきた長い外交対話の流れの上にある。出発点は「金正恩委員長と直接向き合う」と述べた岸田首相の2022年9月の国連総会演説だ。沈黙を守っていた北朝鮮は8カ月後の2023年5月27日、パク・サンギル外務次官の談話で「朝日両国が互いに会えない理由はない」と前向きな反応を示した。岸田首相は半月後の6月8日の参議院演説を皮切りに、機会があるたびに「金総書記との首脳会談を早期に実現すべく、私直轄のハイレベル協議をする努力を続けたい」と述べた。朝日政府が2023年3月と5月の二度にわたり東南アジアで秘密裏に接触したという朝日新聞の報道も9月に出てきた。しかし、両者は接点を見出せず、関心もやや薄れた。

 ところが今年に入って、金正恩総書記が直接乗り出した。1月5日、「日本国総理大臣岸田文雄閣下」宛に日本の能登半島地震の被害に「深い同情とお見舞いの意」を表わす「見舞い電文」を送った。「私の個人的な見解に過ぎない」としたキム・ヨジョン談話は、金総書記の「腹話術」に他ならない。

 問題は「拉致被害者」と「核・ミサイル」という二大懸案において、朝日両国が接点を見出せずにいる点だ。北朝鮮が1970~80年代に犯した日本人拉致問題について、キム副部長は15日にも「すでに解決された」と主張した一方、林長官は16日「全く受け入れられない」と述べた。「核・ミサイル問題」が「朝日関係改善と何の関連もない」問題だというキム副部長の主張も北朝鮮側の考えに過ぎない。しかし林長官は、北朝鮮側のこうした主張を非難する代わりに、「さまざまなルートを通じて働きかけを絶えず行ってきている」と強調した。拉致被害者問題に強硬な日本の世論と低い内閣支持率は、岸田首相の身動きの幅を狭める障害物となりうる。

 朝日の「探索外交」をめぐり、韓国と米国政府の反応は分かれた。共同通信の報道によると、米国務省のジョン・パク北朝鮮担当特別副代表は「我々は(北朝鮮との)いかなる種類の外交と対話も支持する。拉致問題解決に向けた日本政府の努力を強く支持する」と述べた。一方、韓国外交部は「歓迎・支持」という言葉を使わず、「朝日の接触は北朝鮮非核化と朝鮮半島の平和と安定に役立つ方向で行われなければならない」という公式反応を示した。キム・ヨンホ統一部長官は「アリランテレビ」のインタビューで、「北朝鮮はソウルを経由せずにワシントンと東京には絶対に行くことはできない」とし、不快感をあらわにした。「キム・ヨジョン談話」について、韓米日3カ国の協力体制を動揺させようとする思惑があるようだという共同通信の分析が出たのもそのためだ。

イ・ジェフン先任記者、チョ・ギウォン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1128686.html韓国語原文入力:2024-02-16 19:28
訳H.J

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