野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表襲撃から約20日後、与党「国民の力」のペ・ヒョンジン議員襲撃事件が発生したことを受け、韓国政界は一斉に政治家に対する暴力行為を糾弾し、模倣犯を防ぐ対策が必要だと強調した。
尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は25日に発生したペ議員への襲撃事件について、「国民の代表である政治家に対するテロは国民に対するテロに他ならない」と懸念を示したという(ハン・オソプ大統領室政務首席)。
国民の力のユン・ジェオク院内代表は同日、記者団に「類似犯罪や模倣犯が発生する恐れがある」として、「警察の警護や警備対策は選挙運動期間に限定されているが、この期間より前から警察が対策を立てるべきではないか」と述べた。同党は29日、ユン・ヒグン警察庁長と対策を協議する予定だ。
民主党のホン・イクピョ院内代表は党最高委員会議で、「今回のことは明白な政治テロだ。民主主義を脅かすあらゆる形の暴力とテロに反対する」と述べた。民主党の政治テロ対策委員会は、国会レベルの政治テロ対策特別委員会の設置を提案した。同党のクォン・チルスン首席報道担当は「ペ議員に対する襲撃はイ代表に対する政治テロ事件を縮小・歪曲した警察の消極的な捜査が生んだ惨事」だとして、イ・ジェミョン代表襲撃事件に対する当局の不十分な対処が類似の事件の再発を招いたと主張した。
相次ぐ政治家を対象にした暴力事件に、議員たちの間には不安が広がっている。与党のある女性議員は「選挙区を忙しく歩き回らなければならない時期なのに、このようなことが発生したので怖いのも事実」だと語った。別の議員も「無防備な状態で誰でも攻撃にさらされる可能性があるということではないか」と話した。
憎悪政治を止めようという自省論も出ている。キム・ジンピョ国会議長は「互いを敵対する極端な政治から早く抜け出さなければならない」と述べた。ユン・ジェオク院内代表は院内対策会議で、「韓国政治が相手を憎悪し、誤った言葉で国民にその憎悪を伝えることと決別しない限り、このような不幸な事件は引き続き繰り返される可能性が高い」と語った。未来大連合(仮称)のパク・ウォンソク首席報道担当は「巨大両党の極端な対立、絶えず相手を悪魔化する言動など、韓国政治の醜い自画像を振り返る時期だ。特に最近の民主党の行動は、国会所管常任委(行政安全委)を動員して、イ・ジェミョン代表襲撃事件を政争化しようとするのではないかという疑念を抱かせるのに十分だ」と批判した。