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世界の気候問題活動団体、韓日首脳に「化石燃料への投資を止めろ」

登録:2023-11-20 06:37 修正:2023-11-20 10:08
化石燃料への公的金融支援、1位日本、2位韓国 
61団体の環境保護団体「国際社会に破壊的な結果」
アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議に出席するために米国を訪問中の尹錫悦大統領が17日(現地時間)、米カリフォルニア州のスタンフォード大学フーバー研究所で開かれた韓日スタートアップ懇談会で発言している。左は日本の岸田文雄首相/聯合ニュース

 気候変動解決に取り組む世界の61の団体が、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領と日本の岸田文雄首相に海外の化石燃料プロジェクトへの公的金融支援を中止するよう求める書簡を送ったことが、19日に確認された。

 日本と韓国は海外で進められている石油やガス、石炭など化石燃料プロジェクトに公的金融支援を最も多く行う1、2位の国だ。これらの団体は、地球温度の上昇幅を1.5℃以内に抑えるためには、両国が化石燃料プロジェクトに対する支援を中止し、代わりに再生可能エネルギー支援を拡大すべきだと要求した。

 「気候ソリューション」や「FoE Japan(旧地球の友・日本)」、「未来のための金曜日」など、世界の61の環境・市民団体は17日、韓日両国の首脳に送った公開書簡で、「両国の危険な化石燃料投資は自国民だけでなく国際社会全体に破壊的な結果をもたらす」として、このように求めた。

 米国の気候環境団体「オイル・チェンジ・インターナショナル」の調査によると、日本と韓国は主要20カ国(G20)の中で海外の油田やガス田の運営または石炭の採掘に関わる様々なプロジェクトに公的金融支援を最も多く行っている国だ。

 2019年から2021年までの期間に、日本は化石燃料プロジェクトを支援するために年平均102億9千万ドルを支出し、韓国も71億4千万ドル以上を支出した。一例として、フランスに本社を置く「トータル・エネルギー」が主導するモザンビークLNGプロジェクト(ガス田開発事業)に日本は2020年に計50億ドル、韓国は5億ドルの金融支援を行ったのが代表的な事例だ。

 日本と韓国の他には、中国(約60億ドル)、カナダ(約47億ドル)、米国(約33億ドル)の順で公的金融支援額が多かった。2022年度の数値はまだ集計されていない。

 現在の気候危機に対応するためには化石燃料プロジェクトに対する補助金などの支援を廃止しなければならないという声が、全世界でますます高まっている。特に2年前、第26回気候変動枠組み条約締約国会議(COP26)では、英国やデンマークなど34カ国が海外への化石燃料部門に対する直接投資を終了し、クリーンエネルギー転換への支援を最優先課題にすることを内容とする「グラスゴー宣言」に合意したが、韓国と日本はこの宣言に参加しなかった。

 団体はこれに対し「両国の気候政策は明らかに遅れている」としたうえで、「アジア太平洋地域での影響力が大きい韓国と日本は、再生可能エネルギーへの公的金融支援の転換を通じてアジアのエネルギー転換を主導できる潜在力を持っている」と指摘した。具体的には化石燃料に対する海外への公的金融支援の中止と、正しいクリーンエネルギーへの転換に向けた支援の拡大を要求した。

 今回の共同書簡には世界各国の市民社会団体が参加して力を集めた。環境活動家のグレタ・トゥーンベリさんが所属している青少年たちの気候危機ムーブメント「未来のための金曜日スウェーデン」の活動家、ソフィア・アクセルソンさんは「気候変動は世界的な問題であり、今すぐ行動に出て化石燃料に対する依存を断ち切らなければならない」とし、「化石燃料への新たな投資を行わないことから始めるべきだ」と語った。

 一方、韓日首脳は17日(現地時間)、米国のサンフランシスコで開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で会い、両国間の水素・アンモニアサプライチェーンを構築するなど、経済安全保障における協力を拡大することで合意した。「FoE Japan」の深草亜悠美事務局次長はこれと関連して「日本政府はアンモニアおよび水素を化石燃料と混ぜて燃やす混焼(co-firing)を『低減』措置として広報し、このような技術が排出量を減らすのに寄与すると主張するが、混焼は化石燃料への依存度を延長させるだけ」だとしたうえで、「韓国も日本と似たような考えでこのような『誤った解決策』を広報している」と指摘した。

キ・ミンド記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/environment/1116892.html韓国語原文入力:2023-11-2002:52
訳H.J

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