韓国外交部のイム・スソク報道官は17日の定例会見で、日本の岸田文雄首相が靖国神社に供物を奉納したことについて、「韓国政府は、日本の過去の侵略戦争を美化し戦争犯罪者を合祀した靖国神社に、日本の責任ある指導者たちが再び供物を奉納し、参拝を繰り返したことに、深い失望と遺憾を表明する」と述べた。
イム報道官は「日本の責任ある指導者たちに、歴史を直視し、過去の歴史に対する謙虚な省察と真の反省を行動で示すことを求める」としたうえで、「韓国政府は秋季の例大祭期間中、日本側の主要人物の参拝と供物奉納の動向を注視しながら対応していく予定」だと付け加えた。
これに先立ち、岸田首相は同日から始まる秋季例大祭を迎え「内閣総理大臣 岸田文雄」の名義で「真榊」と呼ばれる供物を奉納した。岸田首相は2021年の首相就任以来、これまで靖国神社の参拝を見送り、供物を奉納してきた。新藤義孝経済再生担当相は同日に、西村康稔経済産業相は前日に靖国神社を参拝した。
東京にある靖国神社は、明治維新後に日本で起きた内戦、そして日帝が起こした数多くの戦争で亡くなった英霊を祀っている。このうち約90%は日本の太平洋戦争(1941年12月~1945年8月)と関連している。この戦争に責任のあるA級戦犯14人は1978年、一体化の儀式を経て同神社に合祀された。
外交部は昨年と今年、岸田首相が靖国神社に供物を奉納した直後に論評を出したが、今回は定例会見中の言及にとどまった。靖国神社の参拝と供物の奉納に関する韓国政府の対応のレベルがこれまでより弱くなったといえる。ただし、外交部は18日中に日本の国会議員など主要人物の集団参拝があるとみて、さらなる対応を検討しているという。