慶尚北道醴泉郡(イェチョングン)で豪雨の行方不明者を捜索中に急流に流された海兵隊員が、14時間後に遺体で発見された。
慶尚北道消防本部は20日、「行方不明になっていた海兵隊第1師団所属のA一等兵(20)が19日午後11時8分ごろ、醴泉郡内の乃城川(ネソンチョン)にかかる高坪大橋(コピョンデギョ)の下流400メートル地点の右側で死亡しているのが発見された」と発表した。慶尚北道119特殊対応団がドローンを使って夜間捜索を行っていたところ、軍服を着ているA一等兵を発見した。A一等兵の遺体は救助当局の集結地である醴泉スタジアムに移され、0時45分ごろに太極旗をかぶせられて海兵隊のヘリで慶尚北道浦項市(ポハンシ)の海軍浦項病院に移送された。
捜索現場近くで待機していたA一等兵の家族も、発見の知らせを受けて海軍浦項病院へと向かった。A一等兵の家族は「救命胴衣さえ着せていれば死ぬことはなかっただろうに」と言いながら号泣した。
救助当局は19日午後7時から消防197人や軍人78人ら273人、救助ボート、ドローンなど30台の装備を投入し、A一等兵の夜間捜索を行った。19日午前9時3分ごろ、醴泉郡普門面眉湖里(ポムンミョン・ミホリ)の普門橋付近で行方不明者の捜索作戦に参加していたA一等兵は、足元の土壌が突然喪失したため急流に流された。共に流された他の2人の隊員は自力で泳いで脱出したが、A一等兵は水からはい上がることができなかった。事故当時、投入されていた隊員たちには救命胴衣などの基本的な安全装備が支給されていなかった。海兵隊は投入隊員に適切な安全対策を取っていたかどうかなど、事故の経緯を調べている。
15日の豪雨で慶尚北道では23人が死亡し、3人が行方不明になっている。救助当局による行方不明者の捜索は6日目に入っている。