本文に移動

120キロのパンダが100グラム台の赤ちゃん産む理由は…「フーバオは健康優良児」

登録:2023-07-15 00:59 修正:2024-03-28 08:34
生後6日目を迎えたエバーランドの双子のパンダ=エバーランド提供//ハンギョレ新聞社

 7日、韓国でジャイアントパンダの「フーバオ(福宝)」の双子の妹、いわゆる「トンバオ」と「センバオ」(弟や妹を意味する韓国語の「トンセン」からそれぞれ一文字を取り、福宝の宝を付けた双子のパンダたちのあだ名)が生まれた後、ソーシャルメディアでは100キロを超える母親の「アイバオ(愛宝)」が100グラム台の赤ちゃんを出産したことが不思議だという反応が相次いだ。ジャイアントパンダが体の大きさの割に小さい赤ちゃんを産む理由は何だろうか。

 パンダのアイバオは体重がそれぞれ180グラムと140グラムの双子のパンダを産んだ。アイバオの普段の体重は120キロ。アイバオは自分の体重の0.117~0.150%に過ぎない赤ちゃんを産んだわけだ。これに対してソーシャルメディアでは「100キロを超える大きな体で100グラム台の小さな赤ちゃんを産むのが不思議だ」や「パンダは人間より大きいのに人間の新生児よりも小さい赤ちゃんを産む理由が気になる」などの反応が出た。

 統計庁の資料によると、2021年基準で30代女性(平均出産年齢33.36歳)の平均体重は59.53キロ。韓国国内の新生児の平均体重は単胎児の場合3.2~3.3キロ、双子の場合約2.3キロだ。人間を基準にすると、平均的に自分の体重の3.86~5.54%の赤ちゃんを産むことになる。自分の体重の0.117~0.150%に過ぎない赤ちゃんを産んだアイバオが59.53キロの人間の妊婦なら69.5~89.3グラムの赤ちゃんを産んだ計算になる。

 また、ジャイアントパンダは他のクマや動物と比べても特に小さい赤ちゃんを産むことで知られている。これに関する研究結果がある。米デューク大学のキャサリン・スミス教授などの研究陣が、パンダを含め10種類のクマの生まれたばかりの赤ちゃんの標本を微細断層撮影と3次元モデリング技法で調査した結果、普通のクマよりパンダの受精卵が子宮内膜に着床する時期が早いことが分かった。通常、クマの受精卵は出産60日前に子宮内膜に着床するが、ジャイアントパンダは30日前に着床するという。

出産直後の母親のアイバオと双子の赤ちゃんパンダ=エバーランド提供//ハンギョレ新聞社

 生まれたばかりのパンダの骨格を精密分析した研究者たちは「ビーグル犬と比べると骨が70%ほど発達した状態で生まれる」とし、「人間で言うと、40週ではなく28週間後に生まれた早産児に当たる」と説明した。

 研究陣はその理由として「パンダが他のクマよりはるかに基礎代謝が低いため、生きていくのに必要なエネルギー量が少なく、主食である竹の栄養価が低いうえ、メスに必要なカルシウムが不足しており、胎児の発達に否定的影響を及ぼすという分析もある」とし、「しかし、まだ十分解明されておらず、さらなる研究が必要だ」と指摘した。同論文は「解剖学ジャーナル」2019年12月号に掲載された。

 一方、双子のパンダのお姉さんであるフーバオが2020年に生まれた当時の体重は197グラムだった。エバーランド関係者は14日、ハンギョレに「生まれたばかりの赤ちゃんパンダの体重は100~200グラム」だとして「197グラムで生まれたフーバオが健康優良児だった」と語った。

生後100日頃のフーバオと母親のアイバオ=エバーランド提供//ハンギョレ新聞社
イ・ジュビン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1100139.html韓国語原文入力:2023-07-14 23:35
訳H.J

関連記事