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韓国空軍「女子ファイル」作り性暴力…部隊は通報もみ消し

登録:2023-05-22 20:14 修正:2023-05-23 09:32
女性兵士の情報を掲載し集団セクハラ 
通報者に「ファイル削除せよ」と懐柔まで
申し送りノート資料の一部//ハンギョレ新聞社

 韓国空軍の戦闘飛行団で兵士たちが当直者の引き継ぎノートとして使われる「申し送りノート」を利用して、女性軍幹部たちに集団セクハラをした事実が明らかになった。部隊の幹部たちはこうした内容の通報を受けても、特別な措置を取らず通報者に文書の削除を求めた。遅れて事実を認知した空軍戦闘飛行団は、報告を行わなかった幹部らを立件し、関係者の調査に着手した。

 22日までのハンギョレの取材を総合すると、空軍戦闘飛行団A部隊のある幹部は3月、兵士たちが2021年11月頃から昨年7月頃まで申し送りノートに女性幹部たちの氏名・写真・携帯電話番号・職責・所属などを載せ、容貌を評価し集団セクハラを行ってきたという通報を受けた。申し送りノートは当直隊勤務者が引き継ぎを目的に、当直勤務の案内事項伝達、勤務表、担当業務などを日付別に整理した軍の内部文書だ。6人で構成された当直隊の兵士たちは、専用パソコンにハングルファイルを作成し、交代でチャットするように書き込む方式でセクハラを繰り返し行った。申し送りノートに記録された女性幹部の写真や携帯電話番号、所属部隊などの情報は空軍の内部ネットワークから取り出したものだった。

 なかでも彼らはパソコン内に「女子ファイル」という別のファイルを作り、女性兵士の写真や身元を週に1回ずつアップデートした。女子ファイルを説明する文句としては、「#お嬢さん#女子#キス可能#○○に手を出したら死ぬぞ」などと書かれていた。

 当該部隊の幹部は通報を受けた後、ファイルの一部は確認したが、部隊の運営を総括する大隊長にはこのような事実を報告しなかった。むしろ通報者に「問題視すること自体が被害に遭ったかも知れない被害者への『2次加害』になりうる。ファイルだけではどの兵士がどんな内容を書いたのかが正確に分からない」とし、「他の人が見られないようファイルを削除するかロックをかけた方が良い」と懐柔した。通報者はハンギョレに「保管することになっている申し送りノートのフォルダを見ても、その時期だけが消された後なので、これが全部なのか、被害者はどれだけいるのか調査が必要だと判断し、上官に報告した」として「2カ月待ったが何の措置もなかった」と話した。

 取材が始まると空軍戦闘飛行団は15日、報告義務のあった幹部2人を懲戒立件し、関連者の調査に着手したと明らかにした。空軍関係者は「不適切な『申し送りノート』を作成したと通報された除隊兵士の1人は犯罪容疑が確認され、民間捜査機関に捜査を依頼した」とし「追加で(確認される)人員があれば捜査を依頼する」と話した。

チャン・ナレ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1092731.html韓国語原文入力:2023-05-22 17:58
訳J.S

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