韓国で、ここ5日間で10代の青少年3人が相次いで自ら命を絶った。高校生が死を選ぶ場面がソーシャルメディアを通じてライブ配信されたのに続き、10代の間で人気の高いアイドルメンバーが死亡し、自殺の増加を懸念する声が高まっている。
本紙の取材によると、16日にある高校生が江南区の駅三洞(ヨクサムドン)の建物屋上から飛び降りる過程がソーシャルメディアを通じてライブ配信されて以降、17日と20日にも中学生2人が自殺した。ソウル江南だけで、5日のあいだに3人の10代の生徒が自ら命を絶ったわけだ。19日には、10代で人気の高い男性アイドルグループ「ASTRO」のメンバー、ムンビンさん(25)が自宅で遺体で発見された。
専門家は「ウェルテル効果」(有名人の自殺に影響され、自ら命を絶つ人が増える現象)を懸念している。中央大学心理学科のヒョン・ミョンホ教授は、本紙との電話インタビューで「ソーシャルメディアで投身過程がライブ中継され、これを目撃した不特定多数が相次いで真似した可能性もある。中・高校生の場合、自分のアイデンティティについて悩みが多い時期で、同年代の行動を見て影響を受け、似たような選択をすることもしばしばある」とし、「その過程で自殺を誘発する情報が含まれたメディアとオンラインプラットフォームが影響を及ぼしたものとみられる」と指摘した。
ソーシャルメディアのライブ動画配信を見ていた人は20人余りだったが、様々なソーシャルメディアとインターネットコミュニティなどを通じて急速に拡散した。放送通信審議委員会が措置に乗り出し、インターネット事業者や通信網事業者などが削除を始めたが、削除まで5日ほどかかった。
模倣現象を防ぐため、専門家たちは青少年がより自由に心を打ち明けて相談できるシステム作りが急がれると助言する。慶煕大学のペク・ジョンウ教授(精神健康医学科)は、「実際に同年代の生徒が死亡すれば、周辺の青少年に影響を及ぼす『群集自殺』の可能性もあるため、適切な事後介入が非常に重要だ」とし、「特に周りで睡眠障害や食欲低下に悩まされたり、学校生活に集中できない生徒がいる場合は、憂うつ感や自殺に対する考えなどを積極的に聞き、生徒たちが故人を十分に哀悼し、つらい状態を表現できるよう支援する必要がある」と語った。
しかし、現在はうつ病を訴える青少年が自分で精神科相談などを受けることができない。現行の医療法によると、医療スタッフは診療拒否ができないため、青少年の相談に乗ることも可能だが、民法上では未成年者と医療スタッフの契約は不完全契約とみなされ、親など保護者によって契約が取り消される可能性があるからだ。
大韓精神健康医学科のキム・ドンウク医師会長は「親が子どものうつ病や精神的問題を認めないケースが多いが、青少年が困難に直面した時、学校や両親ではなく第3の機関で気楽に相談を受けられるシステムがなければ、子どもたちは不特定多数が目にするオンラインプラットフォームにさらに依存せざるを得ない最悪の状況が繰り返される」と指摘した。ペク教授は「青少年が精神健康医学科の診療を受けるためには保護者の同意が必要だが、その前に青少年相談センターや自殺予防電話相談などを通じてまず方法を探すのも考える必要がある」と語った。
10代の自殺を社会問題とみて、汎政府レベルの処方が必要だという指摘もある。昨年末、統計庁が発表した報告書「児童・青少年の生活の質2022」によると、児童・青少年の自殺率は2021年に人口10万人当り2.7人で、2000年(1.2人)以来最高値を記録した。12~14歳の自殺率は2000年の1.1人から2021年には5.0人へと、約20年間で5倍近く増えた。15~17歳は2021年現在で9.5人だった。ヒョン・ミョンホ教授は、「自殺率の問題は関係省庁1カ所で解決できるものではなく、国全体として全省庁がともに取り組まなければならない」とし、「日本では内閣府に自殺総合対策会議を設けたように、(韓国も)実質的な権限のある大統領室直属で自殺予防対策委員会を立ち上げ、汎省庁レベルで構造的にアプローチする必要がある」と述べた。