韓国政府が現在週最長52時間である延長労働時間の管理単位を拡大し、週に使える労働時間を最大80.5時間まで延ばすなど、労働時間を柔軟化する内容を盛り込んだ「労働時間制度改編案」を発表した。
6日、雇用労働部など関係部処は政府ソウル庁舎で開かれた非常経済長官会議で、このような内容を盛り込んだ「労働時間制度改編案」(改編案)を確定した。雇用労働部のイ・ジョンシク長官は、改編案を説明し「制度改編の目指すところは選択権、健康権、休息権の普遍的保障」だとし、「70年間維持されてきた古い枠組みを取り除き、新しい労働時間パラダイムを構築する」と述べた。
この日政府が発表した改編案によると、まず現在1週間単位で延長労働時間(12時間)が算定され、所定労働時間(40時間)に加え、現在は最長52時間である週間労働時間を最長80.5時間(週7日基準、週6日基準では69時間)まで延ばせる案が盛り込まれた。退勤時刻から出勤時刻まで連続11時間の休息義務を与え、月・四半期・年単位の延長労働時間を前倒しして集中的に使う方式だ。1週間の労働時間が64時間以内の場合には、11時間連続休息制度は付与されない。
政府はこれと共に「業務に相当な裁量性が認められる高所得・専門職、一定規模以上の持分を持つスタートアップ労働者」に対しては、労働時間規制や超過労働手当などを適用しない「ホワイトカラー・エグゼンプション(exemption)」などについても検討する計画だ。
政府は、本来1カ月単位(研究開発業務は3カ月)で週40時間以内の範囲で労働時間を選択する「選択労働制」の単位期間をすべての業種で3カ月に拡大し、研究開発業務の場合には6カ月まで拡大できるようにした。そうなれば所定労働時間である40時間の範囲内で、延長労働手当てを支払わずに労働時間を増減することが可能になる。
柔軟になった労働時間政策が、使用者の意思により特定の週、特定の仕事に集中した長時間労働を助長しうるとの批判に対し、雇用労働部は「延長労働の総量管理は労働者代表との書面合意で導入し、延長労働は当事者間の合意で実施するなど、直接・間接的な装置を通じて長時間労働を防止できる」と説明した。これに関して政府は、労働者代表制を整備する意向を明らかにし「労働者代表の選出・活動に対する使用者の介入・妨害や不利な処遇を禁止するなど、労働者代表の活動を保障する一方で、多様な労働者の意見を取りまとめ反映する義務を付与する」と説明した。
ただし、このような労働時間制度改編案は、相当部分が労働基準法の改定が必要な事案だ。政府は今日から4月17日までの立法予告を経て、今年6~7月の国会に改定案を提出する計画だ。