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北朝鮮のキム副部長、ICBMに対する韓国の否定的評価に、正常角度での発射を示唆

登録:2022-12-21 06:41 修正:2022-12-21 07:33
北朝鮮のキム・ヨジョン副部長、「やってみれば分かるだろう」
朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長が8月10日、全国非常防疫総和会議で「討論」(演説)している様子/朝鮮中央テレビ・聯合ニュース

 朝鮮労働党中央委員会のキム・ヨジョン副部長は、18日に行った北朝鮮の偵察衛星開発試験に対する韓国側の否定的な評価に反論し、大陸間弾道ミサイル(ICBM)を「高角」ではなく「正常角度」で発射実験を行う可能性をほのめかした。

 キム氏は20日、「朝鮮中央通信」で発表した実名の談話を通じて、「軍事衛星の開発問題は我が国の安全と直結した焦眉の先決課題」だとしたうえで、「偵察衛星開発事業においては寸分の揺るぎもないだろう」と述べた。

 キム氏は、韓国側の専門家らが北朝鮮の偵察衛星を「粗悪なレベル」だと否定的に評価したことについて、「口を開けば我々がすることについてとりあえず疑い、難癖をつけてばかり」だとしたうえで、「無駄口を叩かず、口を慎み、慎重に考えた方が良いだろう」と述べた。「5074字」という異例の長さのキム氏の談話は、暴言で埋め尽くされた。

 キム氏は、北朝鮮が18日に発射したのが「衛星を乗せたロケット」ではなく「準中距離弾道ミサイル」(MRBM)という韓国国防部の発表を激しく非難した。キム副部長は「我々は大陸間弾道ミサイルを開発するといえば、大陸間弾道ミサイルを発射する。南朝鮮(韓国)の傀儡が世論操作をするように衛星に偽装して長距離ロケットの発射実験を行ったりはしない」と主張した。

 キム氏は特に、大陸間弾道ミサイルの核心技術である大気圏再進入突入の技術を確保したことを立証するため、「正常角度」で発射することを示唆するような発言をした。「傀儡軍のチンピラたちは、我々の大陸間弾道ミサイルの大気圏再突入について認められないとか、検証されていないと難癖をつけてきたが、もし大気圏再突入の技術が不十分だったとすれば、操縦戦闘部の遠隔資料を弾着の瞬間まで受け取ることができなくなる」と反論した。さらに「高角発射だけでは立証できず、実際の角度で撃ってみないと分からないとして、我々の戦略兵器能力を貶めようとするのは目に見えている」としたうえで、「言わせてもらうが、これからやってみれば、すぐに分かることではないか」と述べた。北朝鮮はこれまで大陸間弾道ミサイルを垂直角度で発射実験を行ってきたが、近いうちに30~45度の正常角度での発射を行うことを予告したものと言える。

 北朝鮮はまた、外務省の報道官談話を通じて、朝鮮半島(北朝鮮)攻撃を念頭に置いた「敵基地攻撃能力」(反撃能力)を明示した日本の国家安全保障戦略の採択(16日)について、「日本の新たな侵略路線を公式化したもの」だと批判し、「(それに対する不快感を)実際の行動で引き続き示す」と明らかにした。

 一方、韓国と米国は同日、合同空軍訓練を実施した。核攻撃が可能な米軍の戦略爆撃機B52Hは、米軍のF22、韓国軍の戦闘機F5AとF15Kとともに、済州(チェジュ)西南側の韓国防空識別圏(KADIZ)一帯で韓米合同空軍訓練を行った。沖縄県嘉手納空軍基地に先月から暫定配置された米軍の戦闘機F22は、2018年5月以降約4年半ぶりに韓国(全羅北道群山基地)に展開された。今回の訓練は今月18日の北朝鮮の準中距離弾道ミサイルの発射や、20日のキム副部長の談話以前に計画されたものだが、最近高まっている北朝鮮の核・ミサイル脅威に対抗し、北朝鮮への圧力をかけるためのものだ。国防部は「米国のB52HおよびF22の展開は、11月に韓米国防部長官が『米国の戦略資産を適時かつ調整された形で、頻度と強度を増加した運用』に合意したことによる米国の拡大抑止の実行力強化の一環」だと説明した。

イ・ジェフン、チョン・インファン、クォン・ヒョクチョル記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1072463.html韓国語原文入: 022-12-2019:52
訳H.J

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